2013 Fiscal Year Research-status Report
ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析
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24780036
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
西谷 千佳子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所品種育成・病害虫研究領域, 主任研究員 (10370553)
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Keywords | ニホンナシ / みつ症 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)で、みつ症を毎年発症する系統、毎年発症しない系統でサンプリングを行うこととしている。サンプリング終了後(平成25年 冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしている。 平成24年度、25年度の調査から、みつ症発症系統については、成熟時に調査した全果実でみつ症が発生することを確認済みである。なお、成熟前3週間での観察では、みつ症の発生は確認されなかった。平成25年度に過熟果実についても新たに調査し、成熟果実でみつ症が発生しない系統では過熟になっても発症しないことが分かった。 平成24年度、平成25年度ともに、成熟9週間前から、成熟時までの合計4回、概ね3週間ごとにサンプリングを行った。みつ症発生果実については、みつ症部位と健全部位に分けてサンプリングした。各サンプルあたり、6果実づつ別々にサンプリングした。サンプリングした果実からRNAの抽出はすでに終了した。さらに、果実形質の基本的なデータを取るために、果実重、果実硬度、果皮色、糖度、糖組成、酸度の解析も行った。その結果、成熟9週間前から成熟期にかけて、果実重には大きな違いはないものの、みつ症発生系統の方が硬度が低いことが分かった。糖組成については、みつ症発生系統では健全部位であってもフルクトース、ソルビトール含量が多いことが分かったが、スクロース、グルコースでは系統間の差がみられなかった。 平成25年度は、これらのサンプルについてマイクロアレイ解析を行った。 平成26年度は、マイクロアレイの結果を解析し、「みつ症」多発系統に特徴的な遺伝子群を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)でサンプリング、サンプリング終了後(平成25年冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしてい る。平成24年度、平成25年度のサンプリングについて計画通り成熟9週間前から、成熟時までの合計4回行い。マイクロアレイ実験も終了している。そのため、順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)でサンプリング、サンプリング終了後(平成25年冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしてい る。平成25年度は、平成24年度に続いて、反復のサンプリングを行い、サンプルからのRNA単離、マイクロアレイ実験が終了しており、平成26年度はデータ解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、予定通りマイクロアレイ実験を行ったが、消耗品等の節約により経費の余剰が生じた。 マイクロアレイ実験では、「みつ症」多発系統、非「みつ症」系統をそれぞれ1系統ずつ用いた。しかし、マイクロアレイデータ解析で絞り込んだ遺伝子群について、他の系統にも適用できるかを解析する必要がある。そのためのリアルタイムPCR解析に使用する。
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