2012 Fiscal Year Research-status Report
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24780038
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
八木 雅史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (40391403)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カーネーション / 萎凋細菌病 / QTL / DNAマーカー / BACライブラリー / 病害抵抗性 |
Research Abstract |
カーネーション萎凋細菌病抵抗性品種「花恋ルージュ」からゲノムDNAを抽出し、Bacterial Artificial Chromosomeライブラリーを作成した。ライブラリーの中から46,080(384穴プレート×120枚)クローンをピックアップし、プレートに整列化した。そのうち24クローンを選択し、パルスフィールド電気泳動法を用いてインサート長を推定したところ平均156.7kbであると計算され、作成したBACライブラリーはカーネーションのゲノムサイズ613Mbの約12倍(7.2Gb)を網羅する高品質なライブラリーであることが明らかになった。 次に、主働抵抗性遺伝子近傍マーカーであるSTS-WG44を用いて1プレート分(384個)のBAC情報を集めた120プールについて1次スクリーニングを行った結果、25プールで増幅が認められた。これは想定される数より4倍程度多かったことから、STS-WG44が複数のゲノム領域を増幅している可能性が示唆された。その後、3プールについて2次スクリーニングを行った結果、3クローンへの絞り込みを行い、選抜したクローンは確かにSTS-WG44近傍配列を含むことを確認した。 2012年9月にEUCARPIA国際シンポジウムに参加し、花きの中ではゲノム研究の進んでいるバラ、ユリの研究者と情報交換を行い、花きにおける病害抵抗性育種研究の現状ならびに今後の展開について情報収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としたゲノムサイズの10倍以上を網羅するBACライブラリーを作成し、抵抗性近傍マーカーSTS-WG44による2次スクリーニングを行い、マーカー領域を含む3クローンを選抜できたことから、当所の計画通りに研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
選抜したクローンを次世代シーケンサー等を用いて塩基配列を解読し、STS-WG44により複数の領域が増幅されている可能性について各クローンの全長配列の比較から検討する。複数の領域が増幅されている場合には、目的の抵抗性領域のみを増幅するマーカーを開発し、ライブラリーのスクリーニングから再度行う。 最終的に、選抜したBACクローンに含まれる病害抵抗性遺伝子に特徴的な配列を特定し、既存の選抜系統の抵抗性の有無と候補遺伝子の有無の比較から主働抵抗性遺伝子の特定を試みる。 また、近傍マーカーがSTS-WG44だけでは遺伝子の特定まで到らない可能性もあることから、抵抗性近傍領域の連鎖地図の高密度化も平行して進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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