2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780067
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 建吾 神戸大学, 自然科学系, 助教 (50558301)
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Keywords | Hydrogen / Methane / Lactate / Sweden |
Research Abstract |
現在までに、電気化学システムをメタン発酵や水素発酵に適用する事により、安定的にメタン・水素の回収が可能である事を実証してきた。この理由として、電気化学システムが酸化還元電位をメタン菌ないしは水素生成菌に対して好適に維持する事により、複雑な微生物群集の中でも鍵となる微生物を維持できるからである。特に電気化学システムを使用したメタン発酵槽は数Lにまで大型化して運転する事が可能であり、電気化学システムを微生物培養に適用して実規模レベルで運転する基礎的知見を得る事ができた。 本年においては、Corynebacterium glutamicumという工業的アミノ生産株に対して電気化学システム下で培養する事により、その効果を確認した。すなわち、C. glutamicumは好気条件で糖にて培養開始後に増殖の開始に伴い酸素を消費して酸化還元電位が下がるとともに、増殖は停止し糖消費は酸生成に向かう事が知られている。電気化学システムにより増殖開始時から酸化還元電位を低下させ、酸生成に対する効果を調べた。その結果、C. glutamicumの増殖は抑制され、酸生成量が増加した。中でも乳酸の収率を増加させる事に成功した。乳酸はバイオプラスチックの原料である。本研究においてC. glutamicumの増殖時において乳酸の収率を増加できる事が明らかとなった。しかし、C. glutamicumの非増殖時の乳酸収率は増加しなかったために、電気化学システムをC. glutamicum以外に適用する場合は、システム全体の構築については再考する必要がある。
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