2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規なL-アミノ酸脱水素酵素の機能と立体構造解析に基づく抗トリパノソーマ薬の開発
Project/Area Number |
24780105
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
米田 一成 東海大学, 農学部, 講師 (00469397)
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Keywords | 酵素化学 / L-スレオニン酸脱水素酵素 / NAD / トリパノソーマ / クローニング / 結晶化 |
Research Abstract |
Trypanosoma bruceiのゲノム情報からL-スレオニン脱水素酵素(ThrDH)遺伝子(Tb927.6.2790)を見出し、cDNAをオーバーラップオリゴヌクレオチドを使用し作成した。T. brucei 由来ThrDHをコードする遺伝子を大腸菌用発現ベクターであるpET11a, pET15b, pET22b, pET32a, pET42a, pGEX-4T-1, pCold I, pCold TF, pCold Pros2ベクターに挿入した。宿主細胞は大腸菌BL21-DE3 codon plus RIPL株を用い、1 mM IPTGによる遺伝子の発現を行った。 大腸菌用コールドショック発現ベクターであるpCold I, pCold TF(融合タンパク質), pCold Pros2ベクター(融合タンパク質)を用いてThrDHの発現を行ったところ、pCold IとpCold Pros2を用いたThrDHの発現は、不溶性であるインクルージョンボディーであったが、融合タンパク質であるpCold TFベクターを使用した場合にのみ、ThrDHが可溶性画分に発現することを明らかにした。カラムから溶出した酵素の分子量を解析した結果、SDS-PAGEで予測される分子量81 KDa(融合タンパク質TF 44 KDa + ThrDH 37 KDa)にバンドが検出されていることから、Talonコバルトアフィニティカラムによる精製に成功した。最終的にLB培地100 mlあたり1ステップの簡便なカラム精製で1.4 mgの精製酵素を得ることができた。 現在、ThrDH/NADの2者複合体立体構造を解析するために結晶化スクリーニングを行っているが、X線回折実験に適した良好な結晶は得られていないため、今後さらなる酵素の精製、結晶化スクリーニングを行う予定である。
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