2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24780107
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高田 晃 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10332701)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジャスモン酸ミミック / 化学合成 / 構造活性相関研究 / 光学分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度はジャスモン酸メチルならびにククルビン酸メチルの立体化学とその生物活性(タマネギの肥大阻害活性やダイコンの抽だい阻害活性)について検討したが、その異性体はスベテラセミ体を利用したため、光学異性と活性の関係は不明であった。 そこで、平成26年度は光学異性を考慮に入れたジャスモン酸ミミックの化学合成に焦点を当てて研究を展開した。ラセミ体の7-エピーククルビン酸を原料とし、リパーゼを触媒としたアセチル化反応により、その光学分割分割が達成できることは報告されている。そこで、キラルGCMSを活用した光学純度の決定方法を開発することにした。種々のキラルカラムのよる分析方法を検討した結果、キラルカラムとしてRT-bDEXsmを利用すると、6-アセチル-7ーエピーククルビン酸メチルの光学純度を決定できることを明らかにした。なお、7ーエピーククルビン酸メチルはいずれのキラルカラムにおいても十分な分離結果を得ることができなかったので、本物質の光学純度検定にはアセチル化反応を経た後に行うこととした。以上のように、光学純度検定法が確立したので、上述の酵素による光学分割法を検討したところ、25℃、7日間反応させると、反応は約50%進行し、反応性生物であるアセチル体と残存原料でアルコール体をそれぞれ得ることができた。それをキラルGCMSによる光学純度検定に付したところ、それぞれ99%ee以上、鏡像対選択率(E値)は2400以上であった。 また、研究の過程において、ククルビン酸類の9-トランス異性体の精製にも成功した。本年度は二重結合も含めたすべての立体構造を有するミミックの合成を完成させるとともに、その構造活性相関研究を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標である鏡像異性体の分割が順調に達成でき、かつ、キラルGCMSを用いた光学純度決定法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、全ての不斉中心を網羅したミミックのみを調製するつもりであったが、本年度の研究過程において、9-トランス体を合成する可能性が見出されたので、その異性体も含め、合成ターゲット数を拡大して研究を展開したい。合成が完了したミミックは順次生物活性試験に供したい。
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