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2012 Fiscal Year Research-status Report

植物の光感受性を制御する新規ホルモン様物質の探索

Research Project

Project/Area Number 24780117
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

瀬戸 義哉  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (40620282)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords光感受性 / D14LIKE / カリキン / ストリゴラクトン
Research Abstract

本研究は、植物の光感受性に関わる新規ホルモンを同定することを最終目標としている。具体的には我々が以前の研究で明らかにしてきている植物の枝分かれ制御ホルモンであるストリゴラクトンの受容体であるD14遺伝子と相同性の高い遺伝子であるD14LIKEに着目し、そのリガンドとなるべき物質を同定したいと考えている。d14like変異体は胚軸が徒長するなど、光に対する応答性が変化したと思われる特徴的な表現型を示すが、同じ経路で働くであろう他の因子については現在まで同定されていない。特に本経路で働くホルモンを同定するためには、そのホルモンの生合成遺伝子が欠損した変異体を入手することが必要となる。本年度はその生合成遺伝子変異体の取得を目指してEMS処理シロイヌナズナ集団より、d14likeと酷似した表現型を示す変異体の探索を開始した。現時点までに一つの候補を得ているが、遺伝学的な解析よりd14likeそのものである可能性が示唆された。生合成遺伝子が、それぞれ複数コピーある可能性もあるため、本スクリーニングで生合成変異体を見出すのは困難である可能性も考えられるが、少なくともスクリーニングとしては機能していることが示されたため、今後更に継続してスクリーニングを行っていく予定である。
また、煙から植物の発芽を誘導する化合物として見出されたカリキンは、D14LIKE経路で働く可能性が報告されている。つまりD14LIKEタンパク質がカリキンの受容体である可能性が考えられる。そこで、D14LIKEタンパク質とカリキンとの相互作用を等温滴定法により調べたところ、相互作用を確認することが出来た。このことからD14LIKEがカリキンの受容体として働くことが強く示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

d14likeに酷似した表現型を示す変異体のスクリーニングは予定通りに開始することが出来、実際にd14likeの新しいアリルと思われる変異体が獲得できたことから、予定通りに進行していると考えられる。
また、D14LIKEとカリキンの相互作用についても、当初予定していた方法とは違う方法ではあったものの、直接相互作用できるというデータを得ることが出来た。
内生のホルモンを同定するには、生合成変異体の取得が必要であるという意味では、次年度以降の研究が極めて重要になってくるものの、目標を達成するために着実に前進していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

引き続きd14likeに酷似した表現型を示す変異体のスクリーニングを行い、生合成遺伝子が欠損した変異体の取得を目指す。目的の変異体はカリキンの投与により表現型を回復することが出来ると考えられるため、それを指標に生合成変異体を探索する。一方でD14LIKEタンパク質がカリキンと相互作用することが示されたことから、D14LIKEがカリキンの受容体である可能性が強く示唆された。カリキンは煙から見出された種子発芽促進物質であり、セルロースを原料として生成されると考えられている。本物質が植物内在性の物質として存在するか否かは現時点では明らかになっておらず、この点についても検証が必要であると考えている。もし、カリキンが植物の内在性物質として見出された場合は、カリキン自身が新規ホルモンであるという可能性も考えられるため、この点を明らかにしていきたい。更にはD14LIKEタンパク質と相互作用することのできる化合物を市販のケミカルライブラリーから探索することも計画している。つまり、D14LIKEと相互作用することの出来る化合物をカリキン以外にも見出し、それらに共通する構造から内生ホルモンの構造を部分的に推定することが出来るのではないかと考えている。
最終的には生合成変異体の表現型を相補することのできる物質を植物から見出し、光感受性を制御する新規ホルモンの同定を引き続き目指していきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額と平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Structures of D14 nd D14L in the strigolactone and karrikin signaling pathways2013

    • Author(s)
      Megumi Kagiyama, Yoshinori Hirano, Tomoyuki Mori, Sun-Yong Kim, Junko Kyozuka, Yoshiya Seto, Shinjiro Yamaguchi, Toshio Hakoshima
    • Journal Title

      Genes to Cells

      Volume: 18 Pages: 147-160

    • DOI

      10.1111/gtc.12025

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Recent advances in strigolactone research: chemical and biological aspects.2012

    • Author(s)
      Yoshiya Seto, Hiromu Kameoka, Shinjiro Yamaguchi, Junko Kyozuka
    • Journal Title

      Plant Cell Physiol

      Volume: 53 Pages: 1843-1853

    • DOI

      10.1093/pcp/pcs142

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] D14相互作用因子の探索2012

    • Author(s)
      Seo Eunjoo,、瀬戸 義哉、瀬尾 光範、山口 信次郎
    • Organizer
      植物化学調節学会
    • Place of Presentation
      山形
    • Year and Date
      20121027-20121028
  • [Presentation] シロイヌナズナのロゼット葉におけるストリゴラクトンの生理作用2012

    • Author(s)
      森本 優、瀬戸 義哉、山口 信次郎
    • Organizer
      植物化学調節学会
    • Place of Presentation
      山形
    • Year and Date
      20121027-20121028

URL: 

Published: 2014-07-24  

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