2012 Fiscal Year Research-status Report
森林の三次元計測と林分成長予測システムの統合による地域資源シミュレーションの構築
Project/Area Number |
24780142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 徹 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10598775)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 森林計測 / 森林計画 / 三次元計測 / 資源予測 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究は上空および地上から計測された時系列データの結合による詳細な資源予測を広範囲で実現することを目的とした。 まず、伊勢神宮宮域林試験地・東京大学演習林試験地において取得された航空機レーザースキャナーデータやステレオ航空写真に基づく数値表層モデルと同じ範囲で時系列データを取得するために樹冠の三次元計測を整理した。対象とする試験地データのうち、樹高等の不十分と考えられたデータを対象地で現地調査によって補完した。さらに、これらの現地データをもちいて、森林成長予測ツールの対象とする林分密度水準の上限と下限を閉鎖開始密度曲線、最多密度曲線として定式化した。 また、高感度GPSによって取得された座標をもとにリモートセンシングデータと現地データとの突き合あわせを行った。リモートセンシングによって計測された樹冠情報は、対象とする林分の本数密度等に応じて、最多密度・平均管理密度・閉鎖開始密度からなる林分密度によって区分した。このとき、航空機レーザースキャナーによって取得済みの数値標高モデルを基礎に、標高・傾斜・斜面方位等の地形に応じて解明した土地生産力の違いを考慮した。 さらに、樹冠の情報として、リモートセンシングデータから樹冠長・樹冠幅に加えて、樹冠体積・樹冠表面積等の立体的な情報を算出した。次に、リモートセンシングによって直接観測の不可能な樹幹形や直径等を、現地調査によって取得された樹冠長・樹冠幅・樹冠体積・樹冠表面積と比較し、リモートセンシングによって抽出した樹冠の情報と現地調査によって測定された樹幹の情報との関係を分析できるデータセットを整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に示すとおり、24年度の研究の初期段階としての既に取得済みの森林三次元計測のデータおよび現地調査データの整備を予定通り実施しており、進展状況は順調である。他方、取得した膨大なデータをデータベースとして入力・整理するなどの時間と労力を要する作業が残っているが、このステップをクリアーすれば、多様な林分の現況の反映と精緻なシミュレーションを結合することができるため、研究目的達成への見通しは明るいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、今後は、昨年度の実施状況を踏まえて、取得したデータの解析に重点を置きながら研究を推進する。とくに取得した膨大な数値のデータベースへの入力など、レイバーコンシューミングな作業が残っている。今後は、これらの作業を経て、多用な資源状況に応じたシミュレーション、森林経営計画の策定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規のレーザー計測を検討し、既存のレーザー計測データと合わせて、二時点以上のデータセットをそろえるための研究費の使用を計画している。また、大量のデータをデータベースとして入力・整理する作業委託を合わせて検討中である。
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