2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24780148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 亜由美 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80447242)
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Keywords | 都市の熱環境 / 都市緑地 / 蒸散作用 |
Research Abstract |
都市の高温環境に対して緑地がもつ緩和効果の定量化を目的として,緑地を含む都市環境での大気加熱量と緑地の寄与の測定を試みた.「1.乱流変動法による広域大気加熱量の測定」都市域スケール(本研究では100-1000 mとする)測定の十分なデータが得られていないが,気象台の公開データ等や既往研究より対象地域の都市気象の特徴を調査した.「2.緑地と非緑地での大気加熱量の評価」緑地の寄与については,都市に生育する樹木の生理特性のうち,大気への水蒸気供給となる蒸散作用と光合成による二酸化炭素交換作用に着目して,都市内の異なる環境(周辺の建物や道路の分布)における樹木の測定を行った.「3.測定点の周辺地表面状態の評価」対象地域の人工物や緑地分布と風などの気象データを用いて,解析対象とする領域を選定した.「4.都市域スケールの大気加熱量の時間変動特性の評価」「5.都市域スケールの大気加熱量への緑地の影響の評価」これらについては,今年度に全体をとりまとめて考察を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
都市域スケールの大気加熱量の測定が機器や設置場所の調整が遅れたため,十分なデータを得られていない.緑地の効果については樹木測定を実施して大気環境への影響評価を行うためのデータを集めてきた.これらの二つのデータを総合的に解析して,都市環境への緑地の影響を評価することが本研究の目的であるが,前者のデータ不足により達成できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
気象観測を継続してデータを蓄積するとともに,樹木の生理特性を考慮した緑地の効果を都市域スケールに拡張して評価する方法を検討する.観測データの不足は,既往研究や気象台等の公開データを用いて補う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に計画していた学会旅費(海外)を使用しなかったため. 学会旅費(海外)として使用する.
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