2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24780148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 亜由美 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80447242)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 都市気象 / 緑地 / 地表面熱収支 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市の高温環境に対して緑地が持つ緩和効果の定量化するために,緑地を含む都市環境での大気加熱量と緑地の寄与の評価を目指した研究を行なった.「1.乱流変動法による広域大気加熱量の測定」都市域スケールの測定が十分に行なえず,データが得られていないが,気象台の公開データや既往研究より対象地域の都市気象の特徴を調査した.「2.緑地と非緑地での大気加熱量の評価」緑地の寄与について,都市に生育する樹木の蒸散特性を計測して都市大気への水蒸気供給および冷却効果について検討した.大気加熱量そのものの測定はできていないが,周辺環境の異なる地点での温度計測を行い,都市内の温度環境形成の把握を試みた.都市内緑地の計測ができなかったので,都市近郊林の観測値を用いて森林の大気への影響評価を行なった.「3.測定点の周辺地表面の評価」対象地域の人工物や緑地分布と風などの気象データを用いて,解析対象とする領域を選定した.「4.都市域スケールの大気加熱量の時間変動特性の評価」都市域スケールの測定が実施できず未達成である.「5.都市域スケールの大気加熱量への緑地の影響評価」4の測定ができていないが,各地で実施されている既往研究や本研究の対象地域に関する都市気象の特徴を整理して,対象地域の位置づけを試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
都市域スケールの大気加熱量の測定に関して,有効な測定データを得るための機材設置条件(建物の影響を避けるための測定高度の確保など)を整えることができず,本観測を開始できていない.この代替策として,都市内(大学キャンパス内)での温度観測結果を用いて,周辺環境の影響の違いを評価した.緑地の効果については,樹木測定を通年で実施して季節性の抽出を試みた.これらの二つのデータを総合的に解析して,都市環境への緑地の影響を評価することが本研究の目的であるが,データ収集が不十分なため達成できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
都市域スケールの大気加熱量の測定実施の方策を進めると同時に,より実現可能性の高い緑地および非緑地の測定を行い緑地効果を評価する.また,これまでに測定した樹木の生理特性を考慮した緑地の効果を都市域スケールに拡張して評価する方法を検討する.観測データの不足は,既往研究や気象台の公開データを用いて行なう.
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Causes of Carryover |
計画していた学会旅費(海外)を使用しなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に学会旅費として用いる.
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