2014 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥ストレス条件下における植物の生存戦略と微生物共生特性の解明
Project/Area Number |
24780151
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 武士 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教 (10524275)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタゲノム解析 / 次世代シーケンサー / 乾燥地 / 降雨 / 窒素動態 / 細菌 / 古細菌 / 菌類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アメリカ、カリフォルニア州、パームデザートに位置する研究林で生育する2樹種(Larrea tridentata、Encelia farinosa)の直下土壌について、夏の降雨がその微生物量と種組成に与える影響を調べ、短期的な土壌水分の変化に対する微生物の動態について明らかにすることを目指した。夏に水を添加する操作実験を行い、土壌中の微生物の量と種組成の変化をリアルタイムPCR 法と次世代シーケンス解析によって経時的に調査した。リアルタイムPCRによる解析では、細菌、菌類、古細菌、窒素固定細菌、アンモニア酸化細菌、アンモニア酸化古細菌の定量を、そしてメタゲノム解析においては細菌、古細菌、菌類について群集解析を行った。この結果、降雨処理によって、窒素固定細菌、アンモニア酸化細菌の量が増加することが見出された。土壌における純窒素無機化速度や硝化速度の増加は、これらの微生物による影響を受けていた可能性が示唆された。しかしながら、土壌中の硝酸態窒素濃度は、個体サイズの大きいL. tridentataで減少しており、これは植物による吸収が影響していたと考えられた。メタゲノム解析については、次世代シーケンサー(Ion PGM)でデータを取得後、MacQIIMEやUSEARCHを用いて細菌、古細菌、菌類の解析を行う方法の検討を共同研究者とともに行った。顕著な傾向として、降雨処理後、2樹種の双方についてPeudomonas属菌の急速な増加とその後の減少が観察された。Peudomonas属菌は植物と関係の非常に強い微生物群であるため、植物の活性を向上させる土壌水分と強い関係を持っている可能性が考えられた。
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Research Products
(19 results)