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2013 Fiscal Year Research-status Report

都市近郊林の林分属性の変化が被食種子散布における生物間相互作用に与える影響

Research Project

Project/Area Number 24780154
Research InstitutionKyoto Prefectural University

Principal Investigator

平山 貴美子  京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (10514177)

Keywords被食種子散布 / 遷移進行 / 暖温帯林 / 都市近郊林
Research Abstract

本研究は、都市近郊林の今後の林相変化や種多様性の維持に関わる被食種子散布における生物間相互作用に焦点を当て、森林面積の減少、断片化、遷移による種構成の変化といった林分属性の変化に対し、どのようにその相互作用が変化するのか定量的に明らかにことを目的としている。平成25年度の研究成果は以下の通りである。
1.京都市近郊林において古くから遷移が進行しシイ林が発達している東山と最近遷移が進行しシイ林が広がってきている宝ヶ池丘陵において、果実の生産量を3年間にわたり調査した結果、東山も宝ヶ池も2011-12年が豊作年、2012-13年が凶作年となっていたが、両年度とも東山の方が宝ヶ池より果実生産量が多く、特に凶作年では東山の果実生産量は宝ヶ池の約10倍となっていた。鳥類の観察頭数は年度を問わず季節を通じて東山で多く、凶作年では、とくに東山において、より多様な種の種子散布がみられた。
2.2つの林分について実生消長を追跡した結果、林冠下では林床を撹乱すると実生の発生が増加したが、シイ以外の実生はほぼ全て死亡した。林冠ギャップでは、宝ヶ池においては、林冠下と実生の発生や生存は余り変化しなかったものの、東山においては多くの鳥散布型樹木の実生が発生し、さらに林床を撹乱することで発生数が増加し、生存数も多くなっていた。
3.古くから遷移が進行したことで林分全体がシイ林となっている大面積で老齢な東山では、近年急速に遷移が進行し小面積で断片化している宝ヶ池のシイ林に比べ、面積が広く、階層構造が発達していることで鳥類にとって多様な食糧資源と生息環境が提供され、果実食鳥類が多く飛来し、多様な種子が散布されていると考えられた。そして、それらが長期間を経て土壌中に蓄積し、撹乱の際に一斉に発芽することで森林の種多様性が維持されていることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の交付申請書に記載した研究目的は、主に森林面積の減少、断片化、遷移による種構成の変化といった林分属性の変化に対し、果実の生産量の変動がどのようになるか、またそれに対する鳥類の飛来頻度や、鳥類による種子散布パターンがどのように変化するか、年次変動を含めて解明を行うといったものであった。平成25年度は、京都市近郊の遷移中期段階に当たる宝ヶ池丘陵落葉広葉樹二次林と隣接して広がる遷移後期段階に当たる宝ヶ池丘陵コジイ優占林、さらに京都市近郊で最も遷移が進行し森林面積も大きい東山シイ林においてシードトラップを用いた果実・被食種子散布量の把握や鳥類の飛来頻度の観察を継続的に行うとともに実生発生の消長についての解析も行い、各林分において散布された鳥散布種子の運命(実生からの発芽や、埋土種子としての貢献など)についての一端を明らかにすることができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は、都市近郊林の林相変化に伴う鳥類の被食種子散布パターンの違いを明らかにするため、集中的に観察を行う鳥散布樹木を設定し、鳥類の飛来頻度、果実採食量、採食後の種子の運搬量などを調べ、対象樹木の果実量や周辺樹木の果実量との関係性、他の鳥散布樹木の散布との関係性を解析する。さらにそうした対象樹木から落下した果実や鳥よって散布された種子の運命について調査を行い、被食種子散布が森林動態にどのように関わるのか解明を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は被食種子散布パターン継続調査のためのシードトラップの更新、さらに調査林分の環境測定装置の更新などをしなければならない。また消費税も上がるため、物品費の購入費が予想よりも大きくなる可能性がある。このため予算を確保した。
シードトラップの更新や環境測定装置の更新などを行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 京都市近郊二次林におけるナラ枯れ、マツ枯れ後の林床管理が実生定着に与える影響2014

    • Author(s)
      高橋将也・平山貴美子・山田怜史・高原光
    • Organizer
      第125回日本森林学会大会
    • Place of Presentation
      大宮ソニックシティ
    • Year and Date
      20140326-20140330

URL: 

Published: 2015-05-28  

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