2012 Fiscal Year Research-status Report
アカマツのマツ材線虫病抵抗性とその他形質の遺伝的相関関係
Project/Area Number |
24780158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
山野邉 太郎 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター東北育種場, 主任研究員 (60370855)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アカマツ / マツ材線虫病 / さし木発根性 / 初期成長 / 通直性 / ヤング率 / 遺伝的相関関係 |
Research Abstract |
本研究はアカマツの“マツ材線虫病抵抗性”と“その他形質”との遺伝的な相関関係を解明することを目的としている。本基金による助成で対象にする“その他形質”はさし木発根性,初期成長,通直性,ヤング率である。 マツ材線虫病抵抗性については,データの整理を行った。 さし木発根性については,関西育種場(岡山県勝央町)に準備してある人工交配採穂台木から採穂し,東北育種場奥羽増殖保存園(山形県東根市)においてさし付けた。さし付け後の切り口におけるカルス形成も順調で,平成24年度内の研究はおおむね順調に進んだ。なお,これらの採穂台木の親子鑑定については林木育種センター(日立)にサンプルを送付しSSR分析を実行中であり,さし木発根性のデータ解析の際に,鑑定結果は反映させる予定である。 初期成長の遺伝的評価値算出については,計画通りに,次年度以降に着手する予定。 通直性およびヤング率については,測定の実現性を確かめるために試験地を踏査した。その結果,念頭に置いていた40年生前後の伐採適期の試験地は系統管理状況が良くないことが判明した。ただ,その他試験地についても踏査を進めたところ,25年生前後で系統管理状況が良い人工交配個体植栽試験地が3か所抽出できた。よって,これら試験地を対象に研究をすすめることにする。ヤング率の非破壊測定器具(TreeSonic)の調達には時間がかかるため,調査前年の本年度に実施した(平成24年11月20日取得)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マツ材線虫病,さし木発根性,初期成長については計画通りにデータの取得や整理が進んでいる。 通直性およびヤング率測定については,念頭に置いていた林分が良質なデータを取得しにくい状況であることが判明した。しかし,他林分の追加踏査により代替林分が検出でき,研究を継続できる見通しが立った。 総合的にみれば,おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに,既存データによるマツ材線虫病抵抗性および初期成長の遺伝的解析による評価,人工交配材料を用いたさし木発根性,通直性,ヤング率の測定および遺伝的解析による評価を実施していく。得られた評価値からマツ材線虫病抵抗性とその他形質の遺伝的相関関係を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品については,通直性およびヤング率測定対象個体の親子鑑定のためのDNA分析消耗品が主な使途で,その他,さし木発根性評価用の採穂台木養生資材や各種調査消耗品の調達に充てる。 旅費については,さし木発根性調査(さし穂獲得およびさし付け),通直性およびヤング率の測定および測定個体のDNAサンプル採取が主たる出張目的となる。 謝金については,データ入力やさし木発根調査補助といった労賃が使途になる。
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