2013 Fiscal Year Research-status Report
航空機リモートセンシングによる森林の質的および量的情報一元把握システムの開発
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24780163
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 與明 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (90435587)
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Keywords | 機械学習 / バリオグラム / 空間的自己相関 |
Research Abstract |
3バンドのデジタル空中写真を森林タイプ別に分類した後に森林タイプごとに単木認識を行うプロセスをふむため、昨年度の成果として改善の余地が残った森林タイプ分類手法に対してまず手法の改善と高度化を行った。具体的には、まず画像の統計量(説明変数)の違いが土地被覆タイプ分類に与える影響について調べたのち、機械学習による分類モデルの構築とその精度評価を行った。テストエリア内の土地被覆としては、スギ林、ヒノキ林、広葉樹林、竹林、農地、建造物、の6クラスを定義し、オブジェクトベースの画像分類を基本とした。各バンドの画像の平均値やテクスチャのエントロピーや明度など、合計22種類の画像統計量についてGini係数を指標として説明変数の重要度を分析した結果、各バンドの平均値(3種類)が残りの統計量(19種類)と比較して重要度が高いことがわかった。次に、Random Forest法による分類モデルを構築した結果(学習データの再分類の精度は約76%)、昨年度作成したk-nearest neighbor法による分類モデル(同精度は約75%)よりも僅かではあるが優れていることがわかり、また、前者のモデルによる検証データの分類精度は約83%と比較的高いことがわかった。しかしながら、分類精度を更に高める必要があるため、3バンドデジタル空中写真よりもバンド数が多い5バンドの安価な衛星画像の利用を次年度に検討することにした。そして、本年度の目標である森林タイプ別の単木認識の手法開発に着手した。現在、画像のセミバリアンスに着目した単木認識手法の開発に取り組んでいるが、その過程で、スギ林における林分内の平均的な樹冠サイズを表すバリオグラムのレンジ(空間的自己相関の無くなる距離)を利用した上層木立木密度推定手法を副次的に開発することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度(昨年度)の本報告で説明したとおり、研究対象地の見直しに伴い、最終的に航空機レーザデータのみであるが入手可能な研究対象地を見つけ出し、予算枠内で当該データを入手することができたのは良かったが、3バンドのデジタル空中写真からの高精度(例えば分類精度が90%以上)な森林タイプ分類の実現がなかなか困難であることがわかってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予算枠内でデジタル空中写真から作成されるDSMを入手することができなかったため、航空機レーザデータから作成されるDSMとの比較分析はできなくなったため、本研究課題のシステム開発は後者のデータを利用したものになる。また、デジタル空中写真からの高精度な森林タイプ分類に関しては、3バンドデジタル空中写真よりもバンド数が多い5バンドでなおかつ安価な衛星画像の利用を検討し、次年度に分類精度の更なる高精度化を図ることにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究対象地の見直しによって、航空機レーザ観測も空中写真撮影によるDSMデータ取得もどちらも役務として新規に観測することは本年度の予算内では全く不可能であったが、入手可能なライブラリーデータとして航空機レーザデータは予算内で問題なく物品購入することが可能であった。一方、同地域で購入可能な空中写真から作成されるDSMは存在しなかったため、森林タイプ分類の高精度化に貢献する衛星画像の利用を検討し、入手可能なライブラリーデータとして衛星画像を物品購入した。 調査や打ち合わせに関わる旅費および調査補助に関わる人件費等が次年度(最終年度)に増えるため、それに充てる。
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Research Products
(3 results)