2012 Fiscal Year Research-status Report
個別要素法とCFDを融合させた津波作用時の木造住宅の倒壊解析手法の開発
Project/Area Number |
24780174
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
中川 貴文 独立行政法人建築研究所, その他部局等, その他 (60414968)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 木造住宅 / 津波 / 東日本大震災 / 被害調査 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究課題では木造建築物の津波作用時の損傷・倒壊過程を明らかにすることを目的として、個別要素法と流体力学を融合させた新しい数値解析手法の開発を行う。建物側は、研究代表者が開発した倒壊解析プログラムを発展させて用い、外力は計算流体力学(以下、CFD)を用いて詳細なモデル化を行う。24年度の各サブテーマごとの研究内容は下記のとおりである。 ①津波荷重を考慮した外力を想定可能な解析プログラムの開発:既開発の倒壊解析プログラムを基にして、津波荷重を想定した外力を考慮した。解析プログラムの開発に着手した。津波荷重には、被害調査から予測される静水圧を用いた水平波力が生じるものと仮定し、建物の高さ方向に変化する水平力として外力の入力を行う計算プログラムとした。 ②接合部、部材の強度実験データ収集:木造住宅の金物、仕口のせん断方向の耐力の実験データを収集を、学会、論文等で公表されている試験データを用いて行った。また解析プログラムで利用できる型に変換を行った。終局耐力は、短期許容耐力に、終局強度比を乗ずることで算定を行った。 ③建物全体の津波作用時のシミュレーションの実施、被害調査結果との比較:①で開発した倒壊解析プログラムを用いて、建築基準法に規定される必要壁量と同じ長さの壁量を持った2階建て木造軸組構法住宅の解析モデルに対して、建物の高さ方向に変化する外力を与えるシミュレーションを行った。その結果、建築研究所で行った被害調査の際に見られた、滑動によって木造住宅が崩壊する挙動や、アンカーボルトのせん断破壊によって木造住宅が崩壊する現象を本シミュレーション手法によって再現可能であることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた24年度の研究計画に沿って、概ね研究を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、CFDの計算プログラムの開発と倒壊解析プログラムへの実装と、種々の平面プランによる木造住宅のモデル化を中心に研究を進めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度残高は旅費での使用を予定している。
|