2014 Fiscal Year Annual Research Report
有害赤潮プランクトン・シャトネラの摂餌による赤潮の発生・維持機構の解明
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24780191
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
一宮 睦雄 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (30601918)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シャトネラ / 赤潮 / 混合栄養 / 八代海 |
Outline of Annual Research Achievements |
[現場シャトネラ赤潮の摂餌動態] 昨年度に引き続き、シャトネラの出現動態および摂餌特性を把握するため、八代海および有明海で現場調査を行った。有明海では9/18および10/18に20-310 cells/Lで、八代海では8/21に60-780 cells/Lでシャトネラが出現したものの、高密度のシャトネラ赤潮を捉えることができなかった。5月、7月、9月、10月および11月に有明海湾奥部で昼夜観測を行った。9/4 5:00の5 m層でシャトネラが30 cells/Lの密度で観察された。DNAを染色して観察した結果、10個体のシャトネラの内、シャトネラ細胞表面や細胞内に他の餌生物を捕獲または摂食していると確認できる細胞はいなかった。したがって、現場のシャトネラは夜間においても摂食を行っていないと考えられた。
[シャトネラの摂餌特性] シャトネラによる摂餌特性を明らかにするため、有明海産のChattonella antiqua培養株に、1μm、2μmおよび6μmの蛍光ビーズを添加して細胞を観察した。1×107 beads/mlになるよう各ビーズを添加したところ、C. antiquaの細胞表面にビーズの付着がみられたものの、細胞内にビーズを取り込んでいる様子は観察されなかった。また6μmの蛍光ビーズでは、細胞の付着や細胞内にビーズは観察されなかった。混合栄養性である同属別種のC ovataでは1μmおよび2μmの蛍光ビーズを摂食することが知られているものの、C. antiquaでは観察されず、本種が混合栄養性であるかは明らかにならなかった。
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Research Products
(2 results)