2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24780200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
前田 健 沖縄科学技術大学院大学, その他の研究科, 研究員 (20572829)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハゼ / ボウズハゼ / 分類 / 生活史 / 仔魚 / 耳石 / 新種記載 / 両側回遊 |
Research Abstract |
1. 分類: 国内では沖縄島と西表島においてサンプリングを行い、未記載種や日本未記録種を含むいくつかの重要な標本を採集した。海外ではベトナムでサンプリングを行い、インドシナ半島未記録のStiphodon multisquamusの生息を確認し、標本を採集した。本種に関する情報は非常に少なく、今後の研究に有用なものとなる見込みである。また、フィリピンにおいて予備的な調査を行い、本属の生息を確認した。新たに採集された標本と、前年までに採集された標本、博物館より借用した標本の形態を観察し、計測を進めている。そのうちインドネシア産の標本について概ね計測を終え、論文の執筆を行っている。 2. 生活史: 沖縄島の河川において、毎月ボウズハゼ加入仔魚の定量観測調査を行っており、現在も継続中である。さらに仔魚の採集を行い、日齢査定のための耳石サンプルを採取した。また、西表島におけるボウズハゼの産卵期を明らかにするために、流下仔魚採集の予備調査を行った。ボウズハゼ亜科の仔魚の形態変化と行動を明らかにするために、飼育を計画している。本年度は、飼育技術を確立するため、ボウズハゼ亜科とほぼ同様の未熟な状態で孵化するチチブモドキの飼育を行ったが、着底まで育てることができなかった。高知大学所蔵の仔魚標本の調査を行い、ボウズハゼ仔魚1個体の標本を得た。 3. 成果の公表: ボウズハゼ亜科の分類と生活史に関する論文4報を公表し、2回の口頭発表を行った。このうち新種ヒスイボウズハゼの記載論文に関して所属機関よりプレスリリースを行い、新聞、テレビ、インターネットのニュース等に取り上げられ、話題となった。また名護博物館の企画展において新種に関する展示協力を行い、冊子の原稿執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分類に関する研究は、ほぼ計画どおり進み、一部は予想以上の成果を挙げることができた。仔魚の飼育は成功させることができなかったが、当初より困難が予想されたものであり、引き続き研究を行い、成功を目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、西表島におけるボウズハゼの産卵期を明らかにするために流下仔魚採集の予備調査を行ったが、この方法では明確な結果を得ることが難しいと判断した。そのため、平成25年度以降に予定していた西表島における産卵期の調査を取りやめ、沖縄島における調査を継続し、データの充実を図りたい。24年度に失敗した仔魚の飼育に関しては、25年度、飼育方法を改善して再挑戦する。その他は、計画通り進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、琉球列島(主に沖縄島)、ベトナムでのサンプリング、調査を計画しており、そのための旅費を使用する予定である。またマレーシア等東南アジアでのサンプリングも行いたいと計画している。他に学会で成果を発表するため、2~3回国内旅行を行う予定である。消耗品費は、採集・調査用具、飼育器材・餌料等、標本の固定・保管に関する容器・試薬類、耳石解析に関する器材、写真撮影・作図用器材、DNA解析用試薬・器具、一般実験器具類等に使用予定である。
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