2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780206
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
坂田 淳子 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (30455547)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / イムノクロマト法 / 迅速同定法 / 品質管理 |
Research Abstract |
本研究は、腸炎ビブリオの迅速な現場即応型の検査法(イムノクロマト法;ICA法)の開発を目的とする。すでに申請者らは、腸炎ビブリオに高い特異性を示すモノクローナル抗体(MAb)(MAb-VP34と命名)を保有しており、さらにこのMAbはF0F1-ATP合成酵素デルタサブユニットを認識していることが判明している。 本年度は、MAb-VP34と昨年度作出したMAbのうち「MAb-VP109」と命名したMAbを組み合わせたICA法による腸炎ビブリオの迅速同定法を構築した。本ICA法は、試験に供した腸炎ビブリオ124株全てに陽性反応を示し、腸炎ビブリオ以外の菌種93株(ビブリオ属菌27菌種53株、非ビブリオ属菌35菌種40株)に対しては全て陰性反応を示したことから、腸炎ビブリオの同定に十分な精度を有していると考えられた。 生化学的性状試験による従来法(培養法)では、分離平板上の腸炎ビブリオのコロニーを同定するのに3日間を必要とするが、本ICA法は直接「分離平板上のコロニー」から試験を行うことが可能であるため、同定にかかる時間は30分程度である。さらに、本ICA法は特別な機器を必要としないことから、規模が小さい検査場でも導入が容易である。そのため、本ICA法は腸炎ビブリオの迅速・簡便な同定法として有用であると考えられた。
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