2013 Fiscal Year Research-status Report
社会的イノベーション誘発型の農村ガバナンスに関する比較実証分析
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24780208
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
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Keywords | イノベーション / 農村 / 認知科学 / 地域資源 |
Research Abstract |
本研究の目的は、農村開発モデルの比較実証分析を通じて、社会的イノベーション誘発型の農業・農村開発のための課題を明らかにすることである。主な研究課題は、農村における資源管理や経済の多角化に資する政策の分析、農村における社会的企業の経営戦略の特質とイノベーション活動促進の要因分析、そしてそれらを支えるガバナンスの解明である。今年度の主な研究内容と実績の概要は以下の通りである。 1.本年度の文献調査は、組織科学および認知科学におけるイノベーション研究の分析アプローチを中心に実施した。そこで、経済主体の認知的側面に着目したイノベーション研究へのアプローチとしてテキストマイニング手法の適用可能性を検討した。分析結果は予備的なものに留まるものの、企業などの経済主体の認知的側面と技術革新や業績との関係性を見出すことができた。また、同手法を社会的イノベーションの研究に応用するために、NPOデータの収集・構築を進めた。 2.行政機関へのヒアリング調査、新潟県内における農村企業の経営体調査を実施した。その結果、農村地域資源の開発・利活用の技術開発において地域内外のNPO、大学・研究機関との連携を通じたネットワークの形成が重要な役割を果たしており、その効果が農村部門の他主体へも波及していることが確認された。今後、事例調査対象を増やし、社会経済的なネットワークのタイプの違いが地域内外へ与える影響メカニズムの理論化とその定量的分析を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査を踏まえて適用する分析手法を見直した結果、当初の予想以上に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的枠組みは、当初の研究計画に沿って進める予定であるが、それ以外の点は柔軟に見直しを行いたい。特に今年度、新たに導入を検討した経済主体の認知的側面の定量的分析手法は、応用可能性の範囲が大きいと考えられることから、その手法・成果を質問紙調査票の設計に反映したいと考えている。 ただし、平成24年度までに行った実態調査・分析では、当初予定していた最終成果を発表できる条件は整っていない。したがって、最終年度以降の繰り越しも念頭に研究を進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な理由としては、文献調査を踏まえて適用する分析手法を見直した結果、当初の予想以上に時間を要した事が挙げられる。また、その結果を踏まえて、調査票の練り直しを行う必要があり、社会調査(質問紙調査)の実施が出来なかったためである。 繰り越した研究費は、実態調査および社会調査(質問紙調査)のための旅費等として使用する。また、関連学会等において成果を発表するために使用する。
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