2014 Fiscal Year Annual Research Report
南西諸島におけるサトウキビ生産の持続的管理に向けた地域・環境経済分析
Project/Area Number |
24780210
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井元 智子 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (60550324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サトウキビ栽培 / 環境 / 情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
南西諸島におけるサトウキビ生産の持続的管理に向けた地域・環境経済分析を行うため、3つのサブテーマに沿って研究を実施した。 A「サトウキビ生産状況の実態調査」、B「持続的管理に向けた課題」、C「環境に対する選好」をそれぞれ明らかにし、統合することで地域における持続的管理に向けた産業と環境の経済分析を実施した。 A「サトウキビ生産状況の実態調査」に関し、個々の収穫状況と位置情報を把握可能にし、製糖工場が作業状況を一元的・視覚的に把握可能となる携帯端末型アプリ”しゅがなび”を開発した。これまで、生産状況を調査する場合には、各農家ごとに圃場状況の聞き取り調査を行い、地図上にデータを蓄積する作業が必要であった。しかし、”しゅがなび”の開発により、作業者が簡単な操作を携帯型端末で行うだけで、どの圃場で何をしているのか、一元的に把握することが可能となった。“しゅがなび”を適用した収穫期および植え付け期における社会実験を通し、情報の可視化と共有化がサトウキビ生産の効率化だけでなく、地域住民とのコミュニケーションツール、周辺環境へのプラスの作用の可能性が示唆された。 B「持続的管理に向けた課題」について、当初、調査対象地としていた島のみでなく、南西諸島の他島における生産状況も把握することが可能となった。結果として、同じ南西諸島におけるさとうきび生産においても、島によって生産状況および課題に違いがあることが明らかになった。C「環境に対する選好」について、一般市民を対象としたwebアンケート調査を実施し、環境に対する選好の相違点を明らかにすることができた。 これらの3つのサブテーマを統合したモデル構築に取り組み、シミュレーションを実施して結果を取りまとめている。
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