2014 Fiscal Year Annual Research Report
協働型自然資源管理に資する地域ネットワークの効率的構築
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24780211
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松下 京平 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20552962)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネットワーク / 協働 / 自然資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たる平成26年度は、広島県北広島町における協働型自然資源管理のあり方について、前年度までに得られた知見に関する追加的検証および研究成果の地域還元を実施した。具体的には、(1)平成24年度に地域住民を対象に収集した八幡地区のデータを基にした霧ヶ谷湿原の利用に関する地域住民の意識分析、(2)平成26年度8月から9月に霧ヶ谷湿原保全に携わるボランティアの方々を対象とした聞き取り調査・アンケート調査を基にした地域住民の意識との比較検討、(3)上記および前年度までに得られた知見の地域還元および今後の資源管理に関する提言、の3つを中心課題に据えて研究を行った。 (1)で得られた知見は以下の通りである。第一に、地域住民は湿原保全の中心的役割を担うべきは自分たち自身ではなく行政および専門家であると認識しており、高齢者層ほどこの傾向は強い。この理由として、当湿原が地域住民主体ではなく長らく行政によって利用・管理されてきたという歴史的要因を挙げることができる。第二に、湿原に見いだす価値は立場により異なり、農家はその洪水防止機能を、若年層は高齢者層よりも観光資源機能を重視していることがわかった。地域住民間の意識の違いを互いにどう理解し合っていくかが今後の湿原管理に向けて重要であることが示唆される。第三に、地域住民は喪失しゆく湿原の現状維持に向けて年間3500円支払う意思があることが分かった。(2)についてはデータ整理後、(1)と同様の分析を実施した。今後、学会等の場での成果発表を行う。(3)については、分析で得られた雲月山草原および霧ヶ谷湿原の維持管理に関する地域住民の意識に関する知見を、それぞれ2013年6月および2014年3月に地元説明会という形でそれぞれ地域住民の方に還元すると同時に、今後の資源管理のあり方について議論しあった。
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Research Products
(1 results)