2012 Fiscal Year Research-status Report
オーガニック・コンシューマーの意識と行動特性に関する国際比較研究
Project/Area Number |
24780217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
谷口 葉子 宮城大学, 食産業学部, 助教 (60507432)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 有機食品 / 購買意思決定 / 消費者特性 |
Research Abstract |
平成24年度は有機食品の購買行動を研究した論文の収集と読み込みを行うと共に、国内外で実施するヒアリングとアンケート調査の調査計画の検討を行った。有機食品の購買層の特性に焦点を当てた研究は数少ないが、①有機食品の購買における利他的動機の有無、②Schwarzの価値理論等を用いた価値観やライフスタイルについて、購買頻度に区分して考察した研究がいくつか行われてきている。また、計画的行動理論等に基づく購買の意志決定プロセスの分析では、個人が自らの行動の達成や継続に対する予想(belief)を意味する「行動のコントロール感」が有機食品の購買に影響を与えていることが明らかにされてきていることから、購買層の特性を考える上で、自身の購買や消費の能力に対する主観的評価も着目すべき点であることが示唆された。さらに、消費者が有機野菜に対して持つ客観的知識よりも主観的知識の方が購買に正の影響を与えることが明らかにされていることからも、消費者の自身に対する自己評価の高さが購買を予測する上で重要なファクターとなることが示唆されている。そのため今後国内外において実施する消費者調査においては、デモグラフィック変数に加え、消費者の価値観、および消費者の購買・判断能力の自己評価を含めた質問項目を立てていくこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度は文献収集と読み込み、および国内外で実施するヒアリングとアンケート調査の調査計画の検討を行った。平成24年度中に国内でのヒアリング・アンケート調査を実施する予定であったが、当初見込みよりも研究時間を確保することが困難であったため、進捗は遅れ気味である。また、有機食品の購買層の特性については、数は少ないものの既にヨーロッパ等で研究が行われてきており、ヨーロッパの研究協力者より、よりオリジナリティーの高い研究計画を要望された。そのため、平成24年度は既存研究のレビューにより時間をかけ、平成25年度以降の調査計画をより慎重に立てていくこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は4~6月も引き続き文献レビューを継続し、調査計画を立てる。7~9月にかけて、国内でのヒアリング調査・アンケート調査を実施する。9月から年度末にかけて分析・考察を行う。進捗状況に応じて、年度末にドイツ・イタリアを対象に同様の調査計画を立て、実施する。分析結果を2014年にトルコで開かれるISOFAR(国際有機農業学会)での発表に向けて投稿する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、国内および海外での調査に伴う旅費(交通費・宿泊費)として、計50万円程度の支出を予定している。国内のヒアリング調査先として、パルシステム連合会および株式会社ビオマーケットへの依頼を予定しており、仙台から埼玉県および大阪府への往復の旅費が必要となる。海外渡航先はドイツおよびイタリアを考えており、現地の流通業者、政府機関、認証団体等への訪問を予定している。 国内のアンケート調査は郵送費および調査謝礼を含めて計30万円程度の支出を見込んでいる。有機農産物を日常的に購入する消費者から多くのデータを集めるため、宅配会社や自然食品店へ調査票配布の協力を依頼する。ドイツ・イタリアでのアンケート調査には謝礼を含めて、それぞれ50万円程度の費用を想定している。
|