2013 Fiscal Year Research-status Report
オーガニック・コンシューマーの意識と行動特性に関する国際比較研究
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24780217
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
谷口 葉子 宮城大学, 食産業学部, 助教 (60507432)
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Keywords | 有機農産物 / オーガニック・コンシューマー / 価値観 / ライフスタイル / 行動科学 / 消費者行動 |
Research Abstract |
平成25年度は前年度から引き続き有機農産物購買層の特性に関する先行研究について文献調査を行いながら、株式会社ビオ・マーケットの宅配会員、および生協パルシステム連合会の組合員を対象にグループインタビューを実施し、購買層を対象に実施するアンケート調査票の質問項目を検討した。グループインタビューでは有機野菜の購買の理由・動機、購入時に利用している店舗やサービス、調理方法、有機野菜に対する評価・イメージ、認証マークに対する考え方を尋ねた。アンケート調査票にはそれらの聞き取り結果を反映させ、日本の購買層に特徴的にみられると思われるライフスタイルについての質問項目を盛り込むと共に、国際比較に耐えるようSchwartz's List of Valuesを用いて様々な価値観を網羅した包括的な質問群を作成した。 有機野菜の購買層を対象とするアンケート調査は、パルシステム連合会の協力を得て同連合会の組合員を対象に実施した。アンケート調査の結果は平成26年度に実施する非購買層への調査と比較し、解析を行う予定である。 これまでの文献調査で得た知見より、行動科学の理論に関わる部分を「日本のオーガニック市場を考える~消費者行動の視点から~」と題して取りまとめ、雑誌『自然と農業』に寄稿した(第73巻~74巻に掲載予定)。寄稿論文では有機農産物の購買意思決定プロセスを計画的行動理論のフレームワークを用いて説明することを試み、購買行動を変えるための手がかりはいくつも考えうることから、欧米諸国と日本の有機農産物市場の格差の要因は栽培条件や歴史・文化の違いだけに規定されないこと、つまり何らかの可変的要因を操作することにより消費者の行動変容をもたらすことは可能であろうという見解を述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
分析のフレームワークを見直したため、年度前半に行う予定であった国内でのアンケート調査の実施が年度後半にずれ込み、その後実施予定であった海外調査を年度内に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き国内の消費者を対象にアンケート調査を実施すると共に、ドイツにて同様のヒアリング調査およびアンケート調査を実施し、日本の調査結果と比較する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分析のフレームワークを見直し、文献調査に時間を要したため、国内でのアンケート調査の実施が年度の後半にずれ込み、また今年度中の実施を考えていた海外でのヒアリング調査とアンケート調査は実施することができなかった。そのため、使用予定であった渡航費や調査に要する謝礼等の費用が執行できなかった。また、今年度実施した国内でのアンケート調査の費用は協力企業の負担により行うこととなったため、科研費からの支出を伴わない形となった。 有機野菜の購買層を対象とした国内のアンケート調査を別途実施すると共に、一般の消費者(非購買層)を対象とする調査も実施する。また、同様の調査票を用いて海外でのアンケート調査を平成26年度に実施する。
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Research Products
(2 results)