2014 Fiscal Year Research-status Report
オーガニック・コンシューマーの意識と行動特性に関する国際比較研究
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24780217
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
谷口 葉子 宮城大学, 食産業学部, 助教 (60507432)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オーガニック・コンシューマー / 消費者の特性 / 価値観 / ライフスタイル / 有機野菜 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は9月にドイツでのヒアリング調査を通してドイツにおける消費者アンケート調査の準備を進めると共に、国内の一般の消費者を対象とするWebアンケート調査、および有機野菜の購買層を対象とする郵送アンケート調査を実施した。 国内で実施したアンケート調査に基づき、①有機野菜購買層の特性把握(価値観、ライフスタイル、社会経済変数を用いた非購買層との比較)、②価値観に基づく有機野菜購買層の類型化、の2種の分析を行い、②については平成26年12月に開催された第15回日本有機農業学会大会にて口頭報告した。①については平成27年5月に開催される日本フードシステム学会大会にて報告予定である。また、平成27年3月に開催した日本有機農業学会の有志による研究会では、有機食品の消費者行動を対象とする先行研究のレビュー結果を報告した。 分析の結果、有機野菜購買層は他者の幸福を重視する傾向にあると共に、自己の安全や意思決定における自立・自由、日々の生活における楽しみや満足を重視する傾向があることが示唆された。またこのことより、有機野菜購買層が重視する価値は複数の領域にまたがっていることがわかった。 有機野菜購買層を4つのグループに区分すると、向上心や自己の活躍に関心が高い「自己高揚」グループ、他者の幸福をより重視している「自己超越」グループ、あらゆる価値を強く重視する「快活」グループ、あらゆる価値を消極的に評価する「無関心」グループに分かれることがわかった。このことより、有機野菜購買層は一概に利他的であるとはいえず、他者よりも自己の利益を重視する層が一定の割合を占めるなどその内実は多様であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度中にドイツの消費者を対象にアンケート調査を実施する予定であったが、国内調査の結果の分析を優先させたため、年度内の実施を見合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度中に準備したドイツ国内でのアンケート調査を実施し、その結果を日本の消費者調査の結果と比較する。9月にはドイツより有機食品の消費者研究に携わる研究者を招聘の上、シンポジウムを開催し、本研究における研究成果を発表する。また、有機野菜の購買層の特性、購買層の分類、およびドイツと日本の購買層の相違点について分析した結果を学会報告論文または学術誌論文として取りまとめ、公表する。
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Causes of Carryover |
差額が生じた要因としては、ドイツ国内でのアンケート調査を実施することができなかったことと、関連企業の協力により、国内郵送調査の費用が当初に予想された金額を大幅に下回ったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度中に実施できなかったドイツでのアンケート調査を翌年度当初に実施することにより、差額の大半は解消することが見込まれる。また、残りの金額は9月に開催を予定しているシンポジウムの通訳費用に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)