2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780220
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
高山 太輔 明海大学, 経済学部, 講師 (50612743)
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Keywords | 農地・水・環境保全向上対策 / プログラム評価 / 農村活性化 |
Research Abstract |
農村地域での農家人口減少・高齢化などに伴い、耕作面積の減少や耕作放棄地の増加にみられる農地利用の停滞、農村の集落機能の発揮による地域資源保全の困難化、農村地域の衰退などが問題となっている。これらに応じて、1999年の食料・農業・農村基本法の制定以降、新たな農業農村の活性化に向けた取り組みが行われている。特に、農地利用の改善や農業農村地域の活性化を目的とした対策として、「中山間地域等直接支払制度」(2000年)、市町村などを通じて農業生産法人以外の法人への農地の貸付を認める「構造改革特区制度」(2003年)、「農地・水・環境保全向上対策」(2007年)(2011年度より、農地・水保全管理支払交付金)があげられる。 本研究では、2007年度に施行された農地や農業用水路等の資源保全を目的とする地域ぐるみでの共同活動を支援する「農地・水・環境保全向上対策」が農業集落へ与えた影響を、傾向スコアマッチングを用いた「差分の差」推定法により分析した。分析の結果、共同活動支援によって、田の耕作放棄地率や不作付地率の悪化が緩和されたことが明らかとなった。さらに、対象となった地域においては、農地の利用集積を促す効果と、集落内の寄合活動や地域資源維持活動の活性化を促す効果も確認された。営農活動支援に関しては、新たな環境保全型農業への取り組みを促すものの、影響は限定的で、すでに環境保全型農業に取り組んでいる農業経営体においてのみ、その効果が認められた。
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