2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780234
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宗村 広昭 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (90403443)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 汽水湖流域 / 河川水環境 / 水・物質循環 / 小河川流域 |
Outline of Annual Research Achievements |
長年対策を練って来たにも係わらず汽水湖水環境の改善が見られない.それは,汽水湖に流入する主要河川を主な対象とし,盲目的に汽水湖周辺に存在する小河川群を考慮して来なかった事が原因の一つと考えられる.主要河川だけでなく,汽水湖周辺に存在し人口密度の比較的高い小河川流域での営農等人間活動や集落排水等が小河川流域の水質や下流汽水湖の水環境に与えている現況を把握し,総合的に水環境保全・改善策を考察していく事が重要である.本研究では,現地河川での流量観測・ポータブル多項目水質計によるpHや電気伝導度等の計測・河川水サンプルの採水,そして研究室での窒素・リン・浮遊物質量・溶存鉄・溶存態ケイ素の分析を行い,流域モデルによる現況の再現を試みた. 平成26年度は平成25年度に引き続き北海道網走湖に流入する7河川を対象に農地での生産活動が活発になる4月から7月,収穫時期の9月,そして収穫後の11月に現地調査を行った.その結果,全窒素・全リン・浮遊物質量については対象とする全ての河川で4月から5月にかけて濃度が上昇しその後一旦減少する傾向を把握した.その後河川によって9月(や11月にも)に全窒素および全リンの濃度が上昇した.平均濃度を見ると,全窒素:1.4~7.5mg/L,全リン:0.09~0.41mg/Lであり,比較的高い濃度であった.溶存鉄については,4月ではほぼ全ての河川で0.20~0.29mg/Lと同程度の濃度であったが,その後夏にかけて上昇傾向を示す河川と減少傾向を示す河川があった.溶存態ケイ素については5月に一旦減少傾向を示したが9月にかけて上昇傾向を示し11月に多少の減少傾向を示す河川が多かった.これらの傾向は平成25年度と同様と考えられ,流域の持つ水質変動傾向がおおよそ把握できたと考える.
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Research Products
(2 results)