2013 Fiscal Year Research-status Report
長楕円体状青果物選別装置の撮像系及び識別アルゴリズムの開発
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24780248
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
白石 優旗 筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (00389214)
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Keywords | 画像処理・画像認識 / ニューラルネットワーク / 選別装置 |
Research Abstract |
本研究は、高齢農作業従事者の軽労化、及び国産農産物のブランド化による国際競争力の強化のため、知的認識技術を応用することにより、全面画像検査による青果物等階級選別装置を開発するものである。今回開発する選別装置は、①安価(2~3件の農家で購入可能)、②コンパクトで持ち運びが容易(各農家で使用可能)、③学習機能により新規の青果物に容易に対応可能という利点を持つ。当面は、画像認識の実現に困難な特徴(対象物表面の鏡面反射及び凹凸)を持ち、かつ多様な選別基準(キズ、形状、色むら等)を有することから、長楕円体状青果物の中でもピーマンを主要な選別対象とすることとした。 平成24年度は、農作業従事者へのヒヤリングにより1秒/個以上の高速搬送が必要であることが分かったため、従来型の搬送機構を抜本的に見直し、高速搬出により対象物を宙に浮かせることで、安定した6面画像の同時撮像を可能とする仕組みを実現した。また、感性評価手法、多量画像データのデータベース格納手法、及び多量データを用いた学習アルゴリズムについての検討も行い、複数の国内学会、国際会議、及び雑誌論文において発表を実施した。 平成25年度は、前年度に抜本的な改良を行った搬送機構に対して搬送実験を繰り返し行うことにより、搬送装置に関する各種パラメータ調整を行うと共に、対象物検知手法についての検討を行った。更に、感性評価手法、及び認識アルゴリズムについての検討を行い、複数の国内学会、及び国際会議において発表を実施した。しかし、当初計画にあった研究協力者の協力を得ることが困難となり、また当初見込んでいた実験補助研究生の確保が困難になったため実験スケジュールに遅延が生じ、補助事業期間を延長することとなった。次年度は、引き継ぎ搬送実験を行うとともに、実験結果を踏まえた搬送装置の改良を行う。更に、新規認識アルゴリズムの実装及び評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に抜本的な改良を行った搬送機構に対して搬送実験を繰り返し行うことにより、搬送装置に関する各種パラメータ調整を行うと共に、対象物検知手法についての検討を行った。更に、感性評価手法、及び認識アルゴリズムについての検討を行い、複数の国内学会、及び国際会議において発表を実施した。 ただし、市場動向の推移により、当初計画にあった研究協力者の協力を得ることが困難な状況となり、また、平成24年度に開発した搬送撮像装置を用いた搬送識別実験を遂行するにあたり、当初見込んでいた実験補助研究生の確保が困難となり、実験スケッジュールに遅延が生じたため、上記の通り達成度を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
抜本的な改良を行った搬送機構に対して搬送実験を行うとともに、実験結果を踏まえた搬送装置の改良を行う。具体的には、実験結果に基づいた搬送速度、搬送角度の調整、カメラ、光源、変更フィルタの固定取り付け、対象物検知機構の開発を行う。 更に、新規認識アルゴリズムの実装及び評価を行い、研究成果について発表する。具体的には、形状不良に対する識別率95%以上をめざし、検査アルゴリズム及び学習アルゴリズムの検討、実装、及び評価を行う。その際、識別基準については、農作業従事者へのヒヤリングに基づき決定することとする。また、研究成果については、複数の国内学会、国際会議、及び雑誌論文にて発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
市場動向の推移により、当初計画にあった研究協力者の協力を得ることが困難な状況となり、また、一昨年度に開発した搬送撮像装置を用いた搬送識別実験を遂行するにあたり、当初見込んでいた実験補助研究生の確保が困難になったため、実験スケッジュールに遅延が生じ、次年度使用額が発生した。 このため、搬送撮像機構の更なる改良に、より多くの時間を掛けることとし、そのための搬送撮像装置の改良費と高速度カメラの購入費、及び、実験補助者の人件費、研究成果の学会発表費、その他実験材料費に次年度使用額を使用する予定である。
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