2013 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングデータを用いたモンゴル草地における草地劣化分布の把握
Project/Area Number |
24780249
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関山 絢子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (00596835)
|
Keywords | バイオマス / 過放牧 / モンゴル草地 / MODIS LAI / 植生指数 / 草地劣化 / 家畜頭数 |
Research Abstract |
過放牧などによる草地劣化地域の拡大が懸念されているモンゴル草地において,計画的な放牧を行うために草地劣化地域の分布把握が急務である.本研究ではモンゴル草地を撮影するMODISデータとの同期調査を行い,バイオマス(牧草量)とMODISデータからの植生指数との相関を解析する.この結果を基に,バイオマス推定式を求め,MODISデータを用いたバイオマス分布図を作成する.次に家畜頭数の統計データを用いてバイオマスと家畜頭数の関係を調査し,草地劣化状態にある地域を抽出する. 平成24年8月に,モンゴルの首都ウランバートル近郊において現地調査を行った.各調査地において坪刈りによるバイオマス計測を行った(全15か所).次に,計測したバイオマスとMODISデータから得られたNDVI(正規化植生指数)およびLAI(葉面積指数)の値との相関を求めた.その結果,LAIの方がNDVIよりもバイオマスとの相関が強かったことから,LAIを説明変数としたバイオマス推定式(Biomass=48.70e0.82LAI R=0.62)を考案した.バイオマス推定式をMODIS-LAIデータに適用し,2000年から2006年のバイオマス分布図を作成した. 次に,同時期の家畜統計データによる郡別(全347郡)の家畜頭数や構成割合を求め,バイオマスと家畜頭数の関係から過放牧地域を求めた.その結果2000年と2001年において,寒害による家畜の大量死が起きたため2002年には過放牧地域は減少した.また,放牧圧が強く今後も増加が懸念されるヤギについて,その構成割合が多い地域がモンゴル全土に拡大していることが明らかとなった. 最後に,草地劣化地域を抽出するため,過放牧かつヤギの構成割合が多い地域を求めた.その結果,土地被覆が草地から沙漠に変化する植生遷移帯に位置する19郡が草地劣化状態にあることが示された.
|
Research Products
(6 results)