• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

コラーゲン加水分解物の経口摂取がヒトと病態モデル動物の血管前駆細胞に及ぼす作用

Research Project

Project/Area Number 24780258
Research InstitutionNippon Veterinary and Life Science University

Principal Investigator

江草 愛  日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90521972)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords畜産物利用 / 血管内皮前駆細胞
Research Abstract

本課題は「コラーゲン加水分解物の経口摂取がヒトならびに病態モデル動物の血管内皮前駆細胞(EPC)に及ぼす作用の解明」を目的として実施している。1年目は健常者から提供されたEPCをAngIIや酸化LDLなどで障害誘導することによって作製したモデル系と、鶏モミジ由来コラーゲン加水分解物を摂取した後の血清との培養を行い、EPCの活性化を細胞側(レセプターや成長因子、シグナル伝達経路)と血清側(各種サイトカイン)の両方から評価することを目標とした。ヒト由来EPCを100ng/mlのAngIIで処理することで、EPCのコロニー形成能は1/5に減少した。一方、鶏コラーゲン加水分解物摂取2時間後の血漿を終濃度で1%となるように添加した場合にはコロニー形成能はAngII処理前の1/3にまで回復していた。しかし、対照として鶏コラーゲン加水分解物を摂取していない血漿を添加した場合にはコロニー形成能の回復は認められなかった。鶏コラーゲン加水分解物を摂取した後の血漿のアミノ酸分析を行った結果、GlyおよびProの増加が認められたが、その他のアミノ酸には大きな違いが認められなかった。そこで、現在は鶏コラーゲン加水分解物摂取後の血漿を用いてEPC活性化因子の1つであるVEGFの定量を行っている。
また、高血圧モデルで確認してきた系が病態特異的に機能を発揮するのかを確認するため、SHRと同じ系統で高血圧を発症しないWKYや脳卒中発症モデルSHRSP、メタボリックモデルSHR/NDmcr-cpを使用してEPC活性化ならびに血中マーカー(炎症因子とサイトカイン)を評価を前倒しで実施した。8週齢から8週間1g/kg体重でCCOPを投与したところ、SHRおよびSHRSPで最大5週間にわたり投与前の血圧を維持しており、血圧の上昇を抑制した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定では、24年度に健常者から採集したEPCに、AngIIやラジカル、酸化LDL処理を行って、(1) 増殖活性の確認(メチルセルロース培地によるEPCコロニーアッセイ)、(2) EPCが産生するサイトカイン(IL-6、VEGFなど)の測定、(3)EPC上に発現するレセプター(KDR、TIE-1など)の発現確認、(4) EPCのテロメア非依存的な細胞老化の確認(SA-gal染色)の実施を予定にしていた。この内、(1)については、高血圧モデルであるAngII処理の(1)を実施完了したが、(2)~(4)については、再現性が得られず、現在も条件検討中である。
一方、この遅延を受けて、25年に実施予定であった各種疾患モデル動物を使った鶏コラーゲン加水分解物の投与試験(飼育)は前倒しで実施し、後は遺伝子の定量およびサイトカイン類の測定のみとなっている。
したがって、予定よりも遅延しているが、前倒しで実施している分もあるため、総じてやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

25年度は昨年度に実施できなかったヒト由来EPCのラジカルおよび酸化LDL障害負荷モデルに対する鶏コラーゲン加水分解物の効果について評価する。具体的には、EPCのコロニーアッセイにより、増殖活性を評価するほか、培養されたEPCを単離することで、EPCが産生するサイトカイン(炎症物質も含む)や細胞表面上に発現するレセプターをリアルタイムPCRならびにウエスタンブロティングで確認を行う。特に、EPCの増殖・成熟には、レセプターのKDR(VEGF/VEGF R2)シグナル伝達経路が重要な役割を担っていることが報告されているため、これらタンパクを中心に評価を行う。
また、前倒しで実施した病態モデルラットを用いて、ヒトEPCと同様に8週間鶏コラーゲン加水分解物を摂取させたラットのEPC増殖活性の評価を行う。また、サイトカインなどの血中マーカーは抗体ビーズアレイによる61成分の一斉解析で行う(チャールズリバーへの委託)。その他、腎臓・心臓など臓器別に、心血管マーカーの発現量の比較を行い、病態下での違いを明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

25年度は上述の研究推進方策に則り、ヒトEPCを使った評価を行う。そのためEPC単離に必要なビーズ用抗体(CD34,133,45)とセレクション試薬を350千円、また培地(ならびに接着因子)に300千円を計上している。非常に高額であるが、幹細胞研究には必須であるため使用計画に含めた。さらに、EPCが産生するサイトカインや発現するレセプターを確認するためRT-PCR試薬キットと抗体キット(VEGF, Akt, KDR, TIE等)を450千円計上している。これら試薬は一部病態モデルの評価にも転用できる。
また、病態モデルラットの評価に上述の試薬類の他、血漿成分の一斉分析(61項目)をチャールズリバーに委託する予定でいる(1440千円)。高額ではあるが、200microLで多成分が一度に測定できるため、個々のキットを使用するより割安になると考えた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 起源の異なるタンパク質加水分解物の投与が高血圧自然発症ラット(SHR)の循環器系へ与える影響

    • Author(s)
      國分由希、江草(雜賀)愛、小熊敦之、西村敏英
    • Organizer
      日本栄養・食糧学会
    • Place of Presentation
      名古屋大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi