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2013 Fiscal Year Research-status Report

メドウフェスク由来候補遺伝子移入によるペレニアルライグラスの越冬性向上効果の検証

Research Project

Project/Area Number 24780260
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

田村 健一  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・酪農研究領域, 主任研究員 (10414749)

Keywords分子育種 / イネ科牧草 / ストレス耐性 / 種間雑種 / 移入交雑 / 越冬性
Research Abstract

①葉身においてメドウフェスク(MF)型アリルの耐凍性向上効果が確認されたVRN1遺伝子について、これまで用いていた材料においてはVRN1座の他に別の染色体での移入が関与している可能性が考えられたことから、DNAマーカーおよびGISH法によりVRN1遺伝子座周辺のみMFからペレニアルライグラス(PR)へ移入した個体を再度選抜し、葉身の耐凍性を評価した。その結果、MF型の耐凍性が高いという再現性が得られたため、今後の試験材料にすることとした。MF由来MFH2およびCBF遺伝子座周辺領域がPRへ移入した個体について葉身の耐凍性を評価した結果、遺伝子型間で有意な差異は認められなかった。γ-チオニンをコードすると考えられるMFH3について、多交配によるイントログレッション系統を作出し、MF型、PR型ホモ各4母系について黒色小粒菌核菌の接種検定を行ったが抵抗性に有意な差異は認められなかった。一方各4母系をバルクとした幼苗の冠部の耐凍性はMF型のほうが優れる傾向が認められた。MFH4のイントログレッション系統を作出し幼苗の冠部耐凍性を評価したが遺伝子型による有意な差異は認められなかった。
②MFH2、MFH3およびMFH4について35Sプロモータによる過剰発現形質転換体T3世代を作出し、導入遺伝子の発現量の高い各2-3系統を選抜した。
③候補遺伝子のアプローチに加え、二倍体イントログレッション集団を用いたQTL解析によりMF由来アリルの越冬性向上効果を検証した。これまでの試験で越冬性QTLの存在が示唆された第七連鎖群にMF由来部分染色体が移入した個体の戻し交雑後代集団について札幌の圃場で越冬性を評価した結果、越冬後生存率および越冬後緑部割合について、イネOs08g33630オーソロガス遺伝子座の近辺にMFアリルがPRアリルに対し正の効果を示すQTLが認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

5つの越冬性候補遺伝子のうち、葉身の耐凍性の検証については、全ての遺伝子で完了した。ホモ型イントログレッション系統の作出と冠部の耐凍性の評価については、MF型の移入により雄性不稔になるケースが認められたことなどから2遺伝子(MFH3,MFH4)のみ評価を行うことができた。シロイヌナズナ形質転換体を用いた機能解析については予定通り固定系統が作出され、すでに耐凍性の評価を開始している。また追加実験としてQTL解析による候補遺伝子座の探索を開始し、越冬性に関与するQTLを同定できた。

Strategy for Future Research Activity

①葉身で耐凍性への関与が示唆されたVRN1については、MFホモ型になると雄性不稔を示すことから当初の予定を変更し、移入領域の狭いヘテロ個体間の交配後代を用いたQTL解析を行い、冠部の凍結耐性への効果の検証を行う。あわせて低温馴化関連遺伝子などの発現比較を行う。冠部での耐凍性への関与が示唆されたMFH3についてはホモ型イントログレッション系統を用い再現性の確認を行う。CBFについてはホモ型イントログレッション系統を作出し冠部耐凍性の評価を行う。②シロイヌナズナ形質転換体については耐凍性検定および雪腐病抵抗性検定をおこなう。③QTL解析については越冬2年目の調査を行うとともに、年次反復をとるため再度圃場への定植を行い越冬性の評価を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度からの未使用額があったこと、一部材料の育成がすすまず予定していた解析が行えなかったことなどから次年度使用額が生じた。
最終年度においては、これら未使用額をDNA解析やGISH解析のための消耗品および実験補助員の賃金として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] メドウフェスクーペレニアルライグラス第7連鎖群の越冬性QTLの同定2013

    • Author(s)
      田村健一、田瀬和浩、眞田康治
    • Organizer
      日本育種学会
    • Place of Presentation
      鹿児島大学
    • Year and Date
      20131012-20131013

URL: 

Published: 2015-05-28  

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