2012 Fiscal Year Research-status Report
充填式生物脱臭担体上における脱窒菌群の存在様態の可視化
Project/Area Number |
24780263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
安田 知子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 畜産環境研究領域, 研究員 (50391371)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生物脱臭 |
Research Abstract |
充填式生物脱臭装置は、家畜ふんの堆肥化施設からのアンモニア臭気除去に広く利用されているが、脱臭槽内では、脱窒反応が不十分なために、窒素が蓄積することが問題となっている。脱臭担体の微生物的特性は、処理性能に大きく影響すると考えられるが、脱臭担体上での脱窒菌の存在様態は明らかとなっていない。 近年、脱窒菌の機能遺伝子である亜硝酸還元酵素遺伝子nirKをターゲットにした蛍光 in situ hybridization(FISH)により、脱窒菌の特異的な検出が可能であるとの報告がなされている。一方、走査型電子顕微鏡(SEM)とin situ hybridizationを融合させたSEM-ISH法が開発され、担体表面の微生物の分布などの情報に微生物種の情報を付加することが可能となっている。そこで、本研究ではこれらの既往研究の知見を活用し、脱窒菌の機能遺伝子をターゲットとしたSEM-ISH法を試みる。 今年度は、SEM-ISH法による脱窒菌のnirK遺伝子を検出するのに必要となる手法の開発を行った。これまでに真正細菌のユニバーサルプローブを用いたFISH法ならびに走査型電子顕微鏡による観察法を習得し、nirK遺伝子の保有・非保有菌株を用いて、脱窒菌の機能遺伝子をターゲットとした高感度FISH法と、真正細菌のユニバーサルプローブを使ったSEM-ISH法へと実験を進めている。 あわせて、次年度以降脱臭担体として使用する素材の探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、nirKをターゲットとしたSEM-ISH法を遂行するために必要不可欠な種々のプロトコールを確立している段階で、当初の計画である既知の脱窒菌を用いての、脱窒の亜硝酸還元酵素遺伝子を標的としたSEM-ISH法が可能であるかの確認まで到達していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、SEM-ISH法により脱窒菌のnirK遺伝子を検出するのに必要となる手法の開発を行っており、引き続き、脱窒菌の機能遺伝子をターゲットとした高感度FISH法、真正細菌のユニバーサルプローブを使ったSEM-ISH法と実験を進める。また、脱臭担体への応用に向けて、PCR-DGGE,クローニングなどの手法により脱臭担体の脱窒菌群集の遺伝情報の取得をあわせて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に実施予定であったnirKをターゲットとしたSEM-ISH法の確認について、研究の進展が遅れている分を平成25年度に実施することとするため、次年度使用額として343,230円を繰り越す。すなわち、in situ hybridizationおよび走査型電子顕微鏡解析に必要な試薬および消耗品類に使用する。また、脱臭担体の脱窒性能評価に関わる担体の物性および水質分析に必要な試薬および器具類に使用する。
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