2013 Fiscal Year Annual Research Report
piggyBacトランスポゾンを用いた次世代型遺伝子改変ニワトリ作成法の開発
Project/Area Number |
24780269
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山城 秀昭 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60612710)
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Keywords | ニワトリ / piggyBac / トランスポゾン / 遺伝子改変 |
Research Abstract |
【目的】本研究では、ウイルスフリーであるpiggyBacトランスポゾンにEGFP遺伝子を組み込んだプラスミドを胚盤葉へ注入する手法で、高い胚生存率や遺伝子導入率が得られる鶏トランスジェニック個体の作出方法を検討した。 【材料と方法】鶏卵は、受精後1日のジュリア種卵を用いた。プラスミドDNAの注入は、直径10μm及び20μmの2種類のキャピラリを用いて、胚盤葉に1.0μl注入した。濃度は、0、2.5、5、10、15 ng/μlに調整した。10μm区ではそれぞれ、50、44、40、40および41個、20μm区ではそれぞれ64、64、66、69および69個供試した。プラスミドDNAを注入した受精卵は、孵化直前の20日目まで孵卵培養した。生存が確認できた胎児におけるEGFP遺伝子導入の検出は、脳、心臓、肝臓、筋肉および生殖巣からDNAを抽出し、PCR法により遺伝子の増幅を行い、電気泳動により確認した。 【結果】生存率は、コントロールにおいて2.6%であった。また、プラスミドDNAを注入した卵の生存率はそれぞれ3、2、1および1%であった。また、キャピラリのサイズの違いによる生存率および遺伝子導入率に有意差は認められなかったが、10μm区では、20μm区よりもトータルでの発生率が高い傾向を示した。生存胎児の組織から遺伝子の導入を確認したところ、バンドの濃淡および組織による差はあるものの全ての処理区・個体で検出された。特に、濃度2.5 ng/μlの処理区では肝臓と筋肉のみに濃いバンドがみられるモザイク個体が、濃度10 ng/μlの処理区では全ての組織で濃いバンドが確認できた。以上の結果より、キャピラリサイズ10μm、遺伝子濃度2.5 ng/μlの処理区でpiggyBacトランスポゾンプラスミドを胚盤葉に注入した場合、生存率は低いが、孵化直前の鶏胎児に外来遺伝子を導入することが可能であった。
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Research Products
(1 results)