2013 Fiscal Year Annual Research Report
種特異的な哺乳類受精時におけるカルシウムオシレーション誘起機構の解明
Project/Area Number |
24780272
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
伊藤 潤哉 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (30454143)
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Keywords | 受精 |
Research Abstract |
本年度は受精時のCa2+放出に重要な役割を持つ小胞体上のイノシトール3リン酸受容体タイプ1(IP3R1)についてブタ卵およびマウス卵を用いて検討を行った.まず,体内および体外で成熟させたブタ卵におけるIP3R1の発現量,リン酸化量および局在について検討した.その結果,両区間に発現量,リン酸化量および局在には差がないことが明らかとなった.しかし,マウス卵ですでに報告されており,受精時のCa2+放出に重要であると考えられていたIP3R1の卵細胞膜付近でのクラスター形成は,ブタ卵では認められなかったことから,両種間には異なるIP3R1の制機構が存在している可能性が考えられた.また,IP3R1の制御にかかわる因子を同定する目的で,卵の成熟に重要な役割をもつことが知られているp34cdc2 kinase,MAPKおよびPlk1について,それぞれの阻害剤であるroscovitine, U0126およびBI2536でブタ卵を処理し,IP3R1の発現量に及ぼす影響を検討した.その結果,roscovitineおよびU0126はIP3R1の発現量に影響を及ぼさなかったが,BI2536は処理濃度依存的にIP3R1の発現量を著しく減少させた.このことから少なくともブタ卵においてはPlk1がIP3R1の発現に関与していることが考えられた.さらに受精時のCa2+シグナルが,その後の胚発生にどのような影響を及ぼしているのかについて,シンシナティ小児病院(Dr. SK Dey)で特に着床時に果たす役割について検討をした.その結果,受精時にPLCzによって加水分解されたPIP2により産生されたジアシルグリセロールが,着床時のシグナルに関わっている可能性が考えられた.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Vitrification procedure decreases inositol 1,4,5-trisphophate receptor expression, resulting in low fertility of pig oocytes2013
Author(s)
Masahiko Hirose, Maki Kamoshita, Katsuyoshi Fujiwara, Tsubasa Kato, Ayaka Nakamura, Richard Wojcikiewicz, Jan B. Parys, Junya Ito, Naomi Kashiwazaki
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Journal Title
Animal Science Journal
Volume: 84
Pages: 693-701
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Characteristics of transgenic rats expressing horse PLCz
Author(s)
Junya Ito, Yuki Yamashita, Koji Furukawa, Ayaka Nakamura, Kana Sato, Akiko Takizawa, Hoi Chang Lee, Rafael A. Fissore, Naomi Kashiwazaki
Organizer
Gordon Research Conference(GRC 2013)
Place of Presentation
Holderness School, Holderness, NH, United States