2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村本 裕紀子 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (70436567)
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Keywords | インフルエンザウイルス |
Research Abstract |
A型インフルエンザウイルスのPA遺伝子は、ウイルスポリメラーゼ複合体を構成する PA蛋白質をコードする。これまでに、インフルエンザウイルス感染細胞内にPA蛋白質とは分子量が異なる未同定のウイルス蛋白質が発現しており、それはPA mRNAの11番目および13番目のAUGコドンからPA蛋白質と同フレームで翻訳されたものであることを明らかにしていた。本研究では、新規ウイルス蛋白質「PA蛋白質N末端欠損体」の機能および重要性を解明することを目的とした。 シークエンスデータベースおよび蛋白質の検出により、N末端欠損体がA型インフルエンザウイルスで広く保存されていることが示唆された。そして、N末端欠損体を発現しないミュータントウイルスの培養細胞における増殖性は、野生型ウイルスの10分の1以下であり、マウスにN末端欠損体を発現しないミュータントウイルスを感染させたところ、ウイルス増殖性は野生型ウイルスの10分の1以下で、病原性も弱くなった。つまり、N末端欠損体の発現がウイルス増殖・病原性の発現に効果的に働くことがわかった。 次に、N末端欠損体の機能を調べた。PA蛋白質が存在しない条件でのミニゲノムアッセイにより、N末端欠損体にはPA蛋白質様のポリメラーゼ機能が全くないこと、PA蛋白質存在下でのミニゲノムアッセイにより、N末端欠損体はポリメラーゼ機能にほとんど影響しないことがわかった。 そこで、インターフェロンによる抗ウイルス応答への関与を、I型インターフェロンを発現しない細胞におけるウイルス増殖性により調べたところ、N末端欠損体がインターフェロンによる抗ウイルス応答を阻害しないことがわかった。 以上の結果から、PAのN末端欠損体は、その機能はいまだ不明であるが、インフルエンザウイルスの増殖、病原性の発現に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Comparison of gene expression dynamics in non-human primates infected with different H5N1 highly pathogenic avian influenza viruses between different disease severities.2014
Author(s)
Yukiko Muramoto, Jason E. Shoemaker, Le Thi Quynh Mai, Yasushi Itoh, Daisuke Tamura, Ryuta Uraki, Yuko Sakai-Tagawa, Hirotaka Imai, Ryo Takano, Eiryo Kawakami, Kiyoko Okamoto, Hirohito Ishigaki, Takeshi Noda, Satoshi Fukuyama, Kazumasa Ogasawara, Hiroaki Kitano, Yoshihiro Kawaoka.
Organizer
第3回感染症若手フォーラム
Place of Presentation
長崎市
Year and Date
20140213-20140216
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[Presentation] Comparison of gene expression dynamics in non-human primates infected with different H5N1 highly pathogenic avian influenza viruses between different disease severities.2014
Author(s)
Yukiko Muramoto, Jason E. Shoemaker, Le Thi Quynh Mai, Yasushi Itoh, Daisuke Tamura, Ryuta Uraki, Yuko Sakai-Tagawa, Hirotaka Imai, Ryo Takano, Eiryo Kawakami, Kiyoko Okamoto, Hirohito Ishigaki, Takeshi Noda, Satoshi Fukuyama, Kazumasa Ogasawara, Hiroaki Kitano, Yoshihiro Kawaoka.
Organizer
Asian-African Research Forum on Emerging and Reemerging Infections 2014
Place of Presentation
仙台市、日本
Year and Date
20140120-20140122