2012 Fiscal Year Research-status Report
アナモックス反応と脱窒反応の共存による畜産廃水処理の研究
Project/Area Number |
24780326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
和木 美代子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 畜産環境研究領域, 主任研究員 (10355092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 畜産廃水処理 / 環境浄化 |
Research Abstract |
畜舎廃水の浄化処理において窒素除去の向上を図るために、硝酸還元反応およびアナモックス反応による窒素除去を検討する。 本研究ではまず、既往研究により硝酸還元反応のための電子供与体として利用可能であることが示されている、無機系電子供与体の水素および鉄の、アンモニア・亜硝酸存在下でのアナモックス反応に対する影響について検討した。 畜舎廃水処理施設の活性汚泥を種汚泥とし、硝酸還元・アナモックス活性を持つ汚泥を供試汚泥とした。水素および鉄の存在下でのアナモックス活性を、安定同位体を用いたバッチ培養試験により測定し、同時に測定した無添加のコントロール条件での活性に対する比率で評価した。水素の添加はアナモックス反応への阻害効果が無かったが、鉄の存在はアナモックス活性の低下をもたらした。アナモックス活性への阻害効果が見られなかったことから硝酸還元・アナモックス反応の共存を可能とする電子供与体として水素が有望であると考えられたが、畜産現場における水素の取り扱いについてはさらなる検討を要する。 次いで、硝酸還元反応のための電子供与体として、農業現場由来電子供与体であり強固な微生物保持担体になり得るおがくずを用いることを試みた。供試汚泥および硝酸・アンモニアを含む畜産排水の活性汚泥処理水におがくずを加え、1ヶ月間培養した後、アナモックス活性を測定した。おがくず無添加の系をコントロールとして比較をおこなった。培養の前後において、コントロールではアナモックス活性が約2倍に増加したが、おがくず添加条件においてはアナモックス活性の増加は見られず、何らかの阻害因子が存在すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無機系電子供与体のアナモックス反応への効果をまず確認する必要があると考えたため、そちらを先に取り組み、農業現場由来電子供与体についての検討の達成は十分ではなかった。しかし、無機系電子供与体については十分なデータが得られ、成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度十分に検討できなかった農業現場由来電子供与体の影響をバッチ培養で検討を行うとともに、見いだされた条件を用いて連続処理装置を運転する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バッチ培養試験用の試薬、消耗品を購入する。 連続処理装置の作成をおこなう。 次年度使用額の256,435円は、前年度研究費を効率的に使用して発生した残額であり、今年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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