2014 Fiscal Year Annual Research Report
アナモックス反応と脱窒反応の共存による畜産廃水処理の研究
Project/Area Number |
24780326
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
和木 美代子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所畜産環境研究領域, 主任研究員 (10355092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アナモックス / 畜産廃水 |
Outline of Annual Research Achievements |
畜舎廃水の浄化処理において窒素除去の向上を図るために、硝酸還元・アナモックス反応による窒素除去を検討し、硝酸還元反応に必要な電子供与体として、農業現場由来電子供与体の利用を試みる。本年度は、モミガラの利用を検討した。 硝酸還元・アナモックス活性を持つ汚泥を供試汚泥とし、供試汚泥および硝酸・アンモニアを含む畜産排水の活性汚泥処理水にモミガラを加え、培養瓶を用い、随時汚水を交換しながら無酸素条件で1ヶ月間培養した後、アナモックス活性を測定した。モミガラ無添加の系をコントロールとして比較をおこなった。培養後、モミガラ添加条件においてはコントロール区の約1.8倍の活性が見られ、モミガラは硝酸還元・アナモックス反応に効果的に利用できる可能性が示された。 そこで、モミガラを用いた連続培養試験を試みた。有効容積200 mL のリアクターに、硝酸およびアンモニア含有畜産排水の活性汚泥処理水を流入させ、HRT1日、無酸素条件下で運転した。脱窒活性およびアナモックス活性を保持する種汚泥として添加し、同構成の2台のリアクターを同時に運転し、運転開始2週間後に一方にモミガラ50mL を添加した。運転期間中の窒素成分の変化およびアナモックス活性の変化を調べた。その結果、モミガラ添加以前の15日間の培養では、アナモックス活性は培養前の約二倍にまで増加した。しかし、その後一方にモミガラを添加し約45日間培養を行った結果、リアクター中MLVSS 濃度が低下し、処理水中の亜硝酸濃度が上昇し、汚泥中アナモックス活性は低下した。モミガラの添加により、汚泥の細分化が起こり流出し、また同時に従属栄養細菌の増加により汚泥あたりのアナモックス活性も低下したと考えられた。モミガラの添加量およびリアクターの形状について今後検討する必要がある。
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