2013 Fiscal Year Annual Research Report
多連続環化反応によるピロロインドリジン一挙構築法の開発とアルカロイド合成への展開
Project/Area Number |
24790007
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
杉本 健士 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (60400264)
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Keywords | ピロロインドリジン / イミノエステル / アゾメチンイリド / [3+2]付加環化反応 / 金触媒 / ピロロピロリジン |
Research Abstract |
金触媒による連続環化反応を基盤としたピロロインドリジン合成法の開拓において、初年度に、一段階目の環化にあたる分子内過程でのアゾメチンイリドの発生に続く[3+2]付加環化反応が立体選択的に進行することを明らかにしてきたため、昨年度までに問題となっていた二段階目のエナミンの環化反応について重点的に検討を行った。 一段階目に生じるエナミンが、続く環化に不適当な位置に異性化してしまうことが問題点の一つであったため、これが進行し得ないよう分子間反応によるアゾメチンイリド形成を設計し、N-アルケニルピロリジンの構築に成功した。さらに、二つ目の問題点として考えられた求電子部位となるエステルの活性化について、フェノールエステル、ペンタフルオロフェノールエステル、トリクロロエチルエステル、トリフルオロエチルエステル等を合成し、検討を行った。その結果、強力に活性化を行ってしまうとその不安定性のため目的とする反応に供するに至らず、また活性化が足りないと目的とする二段階目の環化が進行しなかった。最終的には、期待した反応の結果生じる電子豊富なヒドロキシルピロール核を安定化させるエステル基を配置した上で、求電子部位としてトリフルオロエチルエステルを用いると、分子間反応によるアゾメチンイリド形成―[3+2]付加環化反応と生じるエナミンの環化反応によるヒドロキシピロール形成がワンポットにて進行し、ピロロピロリジンを単離可能であることを明らかとした。また得られたヒドロキシ基をトリフルオロメタンスルホニルエステルへと変換し、鈴木カップリング反応に適用することで更なる誘導体化を行うことができた。 これらの知見を基盤として、ミルミカリン類の全合成にむけて分子内連続反応によるピロロインドリジン一挙合成を検討中である。
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