2012 Fiscal Year Research-status Report
多重結合成分を利用した新規双環性化合物構築法の開発
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24790009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲垣 冬彦 金沢大学, 薬学系, 准教授 (80506816)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アレン / 環化反応 / ロジウム / ニ環性化合物 |
Research Abstract |
1、環上エキソジメチレンを活用したDiels-Alder反応によるビシクロ[m.4.0]骨格(m=6,7)の構築 中員環を含む多環式骨格の効率的構築法の開発は今なお重要な課題である.これまでに簡便に合成可能であることを見出している中員環(8,9員環)トリエンの環上エキソジメチレンがDiels-Alder反応のジエン体として機能することを実証すべく検討を行った.その結果,種々の電子求引性基を有する三重結合成分との加熱による環化が可能であることを見出し,ビシク ロ[6.4.0]、[7.4.0]誘導体を収率よく得られることを明らかにした.更に,Lewis酸共存下では,ジアゾやアルデヒド、ケトンなどのヘテロ原子を含む多重結合成分を求ジエン体としたヘテロDiels-Alder反応が進行し,ヘテロビシクロ[m.4.0]誘導体(m=6,7)の合成が可能であることも見出した. 2、アルケン-アレニルシクロプロパンを用いた高ジアステレオ選択的環化反応 遷移金属触媒を利用した新規環化反応の開発は,従来法では困難な閉環体の合成を可能にする.アルケンーアレニルシクロプロパンをロジウム触媒と処理したところ,これまでにない環化反応が進行し,ビシクロ[4.3.0]誘導体が高ジアステレオ選択的に得られた.そこで,種々の基質を用いて検討したところ,本反応の適用限界を見出すに至った.また興味深いことに,反応部位の二重結合の位置を変更した場合にも,二重結合の異性化と目的の環化が進行し,同様のニ環性化合物が高立体選択的に得られることも明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書で計画した"3. アレン-アレニルシクロプロパンを用いた[5+2-2]型環化付加反応"については未だ検討が不十分であるものの,1. 環上エキソジメチレンを活用したDiels-Alder反応によるビシクロ[m.4.0]骨格(m=6,7)の構築や2. アルケン-アレニルシクロプロパンを用いた高ジアステレオ選択的環化反応については,H24年度の実施計画に基づき目標を達成したばかりでなく,1についてはH25年度実施予定分の一部もすでに完了していることから,全体的に見ればおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
1. ビスアレン体から環化異性化,Diels-Alder反応をワンポットで行い,一挙にビシクロ[7.4.0]骨格の構築を目指す.また更なる展開として,ヘテロDiels-Alder反応により合成したオキサビシクロ[7.4.0]誘導体から、天然物合成を指向したラクトンの構築法確立を目指す。2. 重水素化実験を行なって機構を明らかにする.また,キラルな配位子を用いた不斉反応も試みる.3. 効率的に目的物を得るための条件検討や基質の適用限界を調査する.また,重水素化実験により反応機構を明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(13 results)