2012 Fiscal Year Research-status Report
ELISA法を基盤とする微量かつ有効カテキンの高感度分析法の開発
Project/Area Number |
24790017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
浅川 倫宏 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (80571257)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | theaflavin / benzotroporon / ELIZA |
Research Abstract |
テアフラビン類は紅茶特有の赤色成分であり、抗菌作用・抗酸化作用などの生物活性を有している。しかしテアフラビン類の精製は困難なため、これまでに詳細な活性研究はほとんどなされていない。そこで、今回我々はテアフラビン類の構造活性相関研究を目的とし、電子求引性かつ穏和な条件で脱保護可能なニトロベンゼンスルホニル (Ns) 基をフェノール性水酸基の保護基として用いる方法により、大量合成を視野に入れたテアフラビン類の合成経路の確立を行った。また、様々な基質を用いて、テアフラビン誘導体の合成も行った。 カテキンに対し、ホウ酸存在下 NsCl と反応させることで A 環部フェノール性水酸基を選択的に Ns 保護した。次いで、四酢酸鉛で酸化してオルトキノンとした後、カテキンと同様に Ns 保護したエピガロカテキンとカップリングし、ベンゾトロポロン誘導体とした。最後に Ns 基の脱保護により、テアフラビンとそのエピマーであるネオテアフラビンの合成を達成し、これまでに 100 mg づつ合成した。また、このベンゾトロポロン骨格構築法を応用し、カップリングパートナーを変更することで、種々の誘導体合成にも成功した。 本結果より、テアフラビンを簡便かつ有効な量合成することが出来た上に、誘導体の合成において有効な手段あったことが証明された。続いて、タンパク質との結合部位を有するテアフラビンの合成を行うため、アミノペンチル基を有するカテキン誘導体の合成を行った。我々の研究室で既に達成されているエピガロカテキンガレート(エGCg)の誘導体であるAPDOEGCgの合成ルートに改良を加え、オルトキノン誘導体との酸化的カップリング前駆体であるカテキン誘導体を作製した。続く、カップリング反応は円滑に進行し、脱保護、精製を経て、アミノペンチル基を有するテアフラビン誘導体の合成を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、テアフラビンの合成を達成するなど、非常に完成度の高い実験内容であった。 本成果は現在 Synlett誌にて掲載されている。(Y. Kawabe, T. Asakawa, T. Kan et al. Synthesis of Theaflavins via Biomimetic Oxidative Coupling Reaction, Synlett (2013), 479) 合成したテアフラビン、ネオテアフラビンは共同研究者に配布し、様々な活性試験ついて検討中である。 また、このような誘導体合成は前例がなく、同様に活性試験へと供出した。 アミノペンチル基を有するEGCg誘導体の合成では、以前の製法を利用して簡便に調製が可能であった。 また、カップリングの後の脱保護に置いてもNs基の有効性が示され非常に意義が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはじめに、24年度で確立した合成法を下に量的供給を目的としたテアフラビン誘導体の合成を行う。 続いて、アミノペンチル基を有するテアフラビン誘導体へと変換する。 最後に、テアフラビン誘導体に対し、キャリアタンパク質でのグルタールアルデヒドを介した結合を行い、免疫原を作製する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、ガラス器具(消耗品として)、試薬等に、90万円 旅費として一人(浅川倫宏:京都)10万円
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