2012 Fiscal Year Research-status Report
集積的配糖化と水酸基保護法を利用した人工合成ワクチンアジュバントの創製
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24790021
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
白畑 辰弥 北里大学, 薬学部, 講師 (30414056)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 配当化 / ワクチンアジュバント / マイクロフローリアクター |
Research Abstract |
ワクチンの添加剤として免疫能を高めるワクチンアジュバントが注目され、その開発が必要不可欠となっている。これまでその実用化に向けた研究が行われているが臨床に適用できる化合物は見いだされていない.生薬オンジから得られる桂皮酸含有サポニンは,強いアジュバント活性を示すが、精製,全合成が困難である.サポニンに含まれる桂皮酸は活性発現への関与が示唆されているが,桂皮酸含有のサポニンの合成例は報告例がない。そこで本年度は桂皮酸含有サポニンの合成法の確立を行うことで、人工合成アジュバントの創製を目指すこととした。 モデル実験を含む各種検討の結果、糖部分の保護基を位置選択的に制御できた。多官能基化されたアグリコン(Tenuifolin)の配糖化は反応温度と反応時間の制御が容易ではない。すなわち反応が進行したとしても、多官能基を有する生成物がすぐに変化してしまう恐れがあった。通常の反応条件において秒単位で反応時間を短く制御する事は困難である。そこで厳密な温度制御、効率的な混合、さらにスケールアップが容易に可能なマイクロフローシステムを用いたところ、得られたサポニンの純度等に改善の余地はあるものの、桂皮酸含有型人工合成サポニンの合成を達成することができた。 さらなる糖部分の合成研究、生物活性試験を行い、ワクチンアジュバントの創製に向け検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とする化合物を合成できたことで、当初の目的である方法論の確立について、見通しをたてることができた。予定した方向性で研究を進行させることができた点で、非常に進展があったと考えている。しかし、得られた化合物の純度、ならび反応の収率といった点で、直ぐに合成化合物を生物活性に供給することは難しく、その点でやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、得られた人工合成サポニンの反応収率と得られる化合物の純度の改善を早急に取り組む。その上で、前年度確立した方法論で、糖の数や官能基を変化させた誘導体を合成して、生物活性を測定して、構造活性相関研究を行う。 注意すべき点として、生物活性を測定するのに長時間(一ヶ月単位)要するので、純度のいい化合物の合成を早期に実現する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機器類として、溶媒精製装置を購入して、純度のいい溶媒を常に使用して反応の効率化と収率の改善につとめて行きたいと考えている。 また、誘導体を合成する上で多種多様な試薬が必要となるので、その購入費に充てたいと考えている。
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[Journal Article] Toward the Synthesis of Phomoidride D2013
Author(s)
Murphy, G. K.; Shirahata, T.; Hama, N.; Bedermann, A.; Dong, P.; McMahon, T. C.; Twenter, B.. M.; Spiegel, D. A.; McDonald, I.. M.; Taniguchi, N.; Inoue, M.; Wood, J. L.
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Journal Title
J. Org. Chem.
Volume: 78
Pages: 477-489
DOI
Peer Reviewed
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