2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子触媒による気体分子の直接的活性化と触媒反応
Project/Area Number |
24790023
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山本 大介 北里大学, 薬学部, 助教 (10509970)
|
Keywords | 有機分子触媒 / 有機ホウ素化合物 / 気体分子 / 水素化反応 |
Research Abstract |
今年度は前年度に引き続き、空間的に適切な位置に窒素原子、酸素原子を存在させ、触媒構造を安定化させたトリアリールホウ素の合成の確立を目指し、検討を行った。トリアリールホウ素周辺にsp2性の非共有電子対を有す窒素原子を導入するため、アリールピリジンを基本骨格とするトリアリールホウ素の合成を行ったところ、鈴木-宮浦クロスカップリング反応、並びに、フリーデルクラフツ型反応を適用することによって、種々の新規トリアリールホウ素を合成することができた。続けて、アリールピリジン型に比べ、より柔軟性の高い触媒構造を構築することを指向し、sp2性の非共有電子対を有す酸素原子を導入したベンズアミド型のトリアリールホウ素の合成を行った。その結果、アミドの置換基が、トリアリールホウ素の安定性に深く影響を与えていることを確認できた。以上の結果をもとに、sp3性の非共有電子対を有す酸素原子をホウ素の近傍に位置させることによって、より柔靱な構造となるトリアリールホウ素が合成できると考えた。種々検討を重ねた結果、アルコキシを導入したトリアリールホウ素の合成を達成した。合成したトリアリールホウ素は、sp2性のヘテロ原子を有すトリアリールホウ素と異なり、ホウ素の空のp軌道に適度なルイス酸性を示すことが期待できる。 以上、ホウ素の適切な位置にヘテロ原子を導入することによって、安定で取り扱いが容易なトリアリールホウ素の合成法を開発し、端緒となる結果を得ることができ、今後の発展が期待できる成果を収めることができた。今後、我々が合成した新規トリアリールホウ素を用いて、気体分子の活性化法の開発を行っていく。
|
Research Products
(11 results)