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2012 Fiscal Year Research-status Report

ON/OFF制御可能な新規蛍光化合物の合成、並びに蛍光プローブへの応用

Research Project

Project/Area Number 24790029
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOsaka Ohtani University

Principal Investigator

池尻 昌宏  大阪大谷大学, 薬学部, 講師 (00412396)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords蛍光分子 / 緑色蛍光タンパク質 / イミダゾリノン / 複素環
Research Abstract

緑色蛍光タンパク質の発色団をモデルとした新規蛍光低分子化合物(ジフェニルメチレン化イミダゾリノン類,通称DAIN類)の合成において,まずは第2世代タイプの合成について我々の見出した新規カップリング反応による検討を行った。その結果,カップリング反応の片方に相当するグリシンジアリールメチレンイミノエステル体の合成においては,計画通りの方法にて5種の化合物の合成に成功した(フルオレノン型,ジベンズスベロン型,キサンテノン型,p-メトキシフェニル型,p-クロロフェニル型)。次に得られた5種について,メチルイミデート体とのカップリング反応を検討したところ,ジベンズスベロン型のものについては目的の反応は進行しなかったが,他の4種のものについては,収率にばらつきがあるものの目的物を与えた。また本反応条件を検討していく中で,イミノエステル体の種類や反応温度が収率に大きく影響を及ぼす知見が得られた。次に得られた4種のDAIN類について,固体状態における蛍光スペクトルを測定したところ,環固定化や電子供与基の効果によるものと予想される蛍光波長の長波長シフトは観測されたが,予想に反しその蛍光強度は減少する結果となった。現在はその理由等についての研究を進めているところである。
上記成果について,蛍光強度における課題は残されているが,蛍光波長が分子イメージングに望ましいとされている赤色方向へシフトした点についてはDAIN類のさらなる可能性を示す知見であり,興味深い結果といえる。また,本新規カップリング反応の適用の広さも確認ができ,さらなる新規DAIN類の合成にも展開が可能である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの成果として,第2世代DAIN類の合成ならびに蛍光特性の評価をほぼ完了した。本件については,当初の研究計画通りに概ね遂行できたといえる。一方,課題点としては,第2世代の化合物が完全には満足のいく蛍光特性を示さなかった点が挙げられる。これは実際に化合物を合成してみなければ分からない結果であり,ネガティブな成果ではあるが,次の展開へと繋がる興味深い知見である。
以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

本研究においては今のところ概ね順調に進展しており,今後も基本的には当初の研究計画に従い進めて行く予定である。しかしながら,DAIN類の蛍光特性に関しては,第1世代型のものを大きく上回るほどの第2世代型が得られなかったため,新たな類縁体としての第3世代型の創製が今後の課題の1つとなった。本件に関しては,これまでの第1,第2世代型DAIN類の知見を活用し,第3世代型の設計・合成へと展開していく。ただし,第3世代型の創製には多くの研究時間が要すると思われるため,原則的には第1世代型のDAIN類を用いて,次年度以降のDAIN類の応用計画を優先的に進めて行く予定である(エフォートの割合として9割程度)。第3世代型DAIN類の合成研究については,可能な限りにおいて平行して進めていく予定である(エフォートの割合として1割程度)。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初の研究計画に従い,次年度以降に以下の研究を予定している。
a) 塩基配列認識DNAプローブの合成,b) DPIN 2分子の接近による陽イオン検出プローブの合成, c) 脂質二重膜を標的としたプローブの合成。また本年度の研究結果から新たな研究項目として,d) 第3世代型DAIN類の合成,が加わった。なお,これらはいずれも低分子有機化合物の合成,ならびに蛍光特性(スペクトル,量子収率)の評価が主な実験作業になると予想される。
特に次年度については,上記a), ならびにb)の一部についての研究を進めて行く予定であるが,合わせてd)についての研究も可能な限り平行して行いたい。そのため,これらの研究の遂行に際し,当初の研究計画における平成25年度分の研究予算(上記a), およびb)の研究に用いるもの)としての直接経費1,200,000円,間接経費360,000円に加え,d)についての新たな研究費が必要とされる。そこでその経費として,本年度の未使用額分150,072円を次年度使用額として計上する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Design and Concise Synthesis of a Novel Type of Green Fluorescent Protein Chromophore Analogue2012

    • Author(s)
      Masahiro Ikejiri, Moe Tsuchino, Yoshiko Chihara, Takao Yamaguchi, Takeshi Imanishi, Satoshi Obika, and Kazuyuki Miyashita
    • Journal Title

      Organic Letters

      Volume: 14 Pages: 4406-4409

    • DOI

      10.1021/ol301901e

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 緑色蛍光タンパク質の発色団をモデルにした蛍光低分子化合物の開発2012

    • Author(s)
      池尻 昌宏 ,長谷川 啓,松本 公佑,土野 萌絵 ,千原 佳子 ,山口 卓男,今西 武 ,小比賀 聡 ,宮下 和之
    • Organizer
      第19回天然薬物の開発と応用シンポジウム
    • Place of Presentation
      大阪大学会館
    • Year and Date
      20121101-20121102
  • [Presentation] GFP クロモファー類縁体の設計とその新規合成法の開発2012

    • Author(s)
      池尻 昌宏 ,長谷川 啓,松本 公佑,土野 萌絵 ,千原 佳子 ,山口 卓男,今西 武 ,小比賀 聡 ,宮下 和之
    • Organizer
      第 42 回複素環化学討論会
    • Place of Presentation
      京都テルサ
    • Year and Date
      20121011-20121013

URL: 

Published: 2014-07-24  

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