2012 Fiscal Year Research-status Report
光反応基を利用した分子ツールによるシアリルルイスX-セレクチンの認識機構解明
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24790033
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大塚 功 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (20389589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 糖鎖合成 / 光反応基 / 糖鎖-レクチン認識 |
Research Abstract |
糖鎖-レクチンの構造活性相関を調べることは、細胞間情報伝達機構を解明する上で重要である。しかし両者は低親和性であり、糖鎖の結合を頼りに結合レクチンを見出すことは不可能とされている。解決策として、申請者は光アフィニティーラベル法による、糖鎖機能解明を志向した分子ツールを開発してきた。本申請は、化学合成された分子ツールを用いて、セレクチンとの構造活性相関を検証し、シアリルLeX-セレクチンの認識機構を解明する。本年度は、まず基礎的研究から開始し、ガラクトース-グルコサミンかからなる三種類の二糖誘導体をリガンドとする分子ツールを合成した。これら分子ツールの合成を通じて、糖鎖リガンドの合成法が確立された。また、合成した分子ツールとレクチン(ECC)との関係について調べたところ、糖鎖の結合位置の違いにより認識能が大きく違うことがわかり、還元末端糖の重要性も明らかとなった。本結果は、レクチンが非還元末端糖だけを認識しているのではなく、糖鎖全体を認識していることを意味する。これらの知見を基に、本申請課題であるシアリルLeX四糖及び類縁体をリガンドとする分子ツールの開発に着手した。各単糖誘導体の調製から取り掛かり、二糖及び三糖誘導体まで合成完了した。現在、最終化合物であるシアリルLeX誘導体の合成に取り掛。本年度は本化合物の合成及びレクチンとの関わりについて検証を行うことで、細胞表層に存在する糖鎖の機能解明に繋げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、当初目標としている三種類の糖鎖リガンドのうち既に二種類が合成完了している。25年度中には残りの一つを合成する予定であり、概ね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、各単糖誘導体の調製、二糖、三糖誘導体の合成が完了した。シアリルLeX四糖誘導体については現在合成中である。25年度は本化合物の合成及び、レクチンとの親和性について検討を行い目標達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度も昨年度に引き続き試薬などの物品を中心に研究費を使用する予定である。また、得られた成果については適宜、学会、論文などで発表を行う予定であり、そのための旅費、論文投稿費などにも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)