2013 Fiscal Year Annual Research Report
光反応基を利用した分子ツールによるシアリルルイスX-セレクチンの認識機構解明
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24790033
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大塚 功 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (20389589)
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Keywords | 糖鎖合成 / シアリルルイスX / 糖鎖-レクチン認識 / 光アフィニティーラベル法 |
Research Abstract |
平成24年度に引き続き、分子ツールの合成を継続した。前年度に二種類の分子ツール誘導体の調製が完了していることから、本年度は残る一つであるシアリルルイスXをリガンドとする分子ツールの合成に着手した。L-フコース誘導体を調製した後、既に合成されている三糖誘導体(Siaa2-3Galb14GlcNAcb1-All)への導入を試み、低収率であるものの、目的化合物が得られた。低収率の原因として、糖供与体であるフコース2位及び糖受容体であるグルコサミン2位の保護基(フコース2位:ナフチル基、グルコサミン2位:フタルイミド基)による立体障害が挙げられる。また、糖受容体の水酸基がグルコサミン3位に位置しており、周囲の保護基や糖鎖に覆われた状態であることから、糖供与体のカルボカチオンとの反応性が著しく低下し、結果目的化合物が得られにくかったと考える。今後の解決策として、1)フコース2位の保護基をより小さいエーテル系保護基(tert-ブチルジメチルシリル基やp-メトキシベンジル基など)に置き換える。2)糖供与体の脱離基を再検討する。現行はトリクロロアセトイミデート法を用いているが、必要であれば変更も検討する。今回の方法は改善すべき点が多々あり、更なる効率的合成法の開発が必要とされる。また得られた量も微量であり、認識機構解明には至っていない。今後はこれら分子ツールを用い、レクチン-糖鎖の認識機構を解明を目指すべく更なる研究が必要とされる。
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Research Products
(3 results)