2013 Fiscal Year Annual Research Report
One-Potフルオラス合成法を用いた糖鎖ライブラリーの構築
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24790034
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
後藤 浩太朗 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (30321673)
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Keywords | 糖鎖合成 / フルオラス |
Research Abstract |
従来のフルオラスタグ法は、未反応のフルオラス性原料やフルオラス性副生成物を目的物と分離することができないといった問題が存在した。現時点では、この問題点の有効な解決方法は存在していない。そこでこれらのフルオラスな副生成物や未反応物を除去可能な新しいフルオラス糖鎖合成法として従来のフルオラスタグ法にOne-Potグリコシル化を組み合わせた「One-Potフルオラス合成法」の開発を試みた。このOne-Potフルオラス合成法の鍵となるのは、反応後の分配操作において目的物以外のフルオラス性を有する化合物(未反応の原料や副生成物など)をいかに有機層に除去(分配)し、フルオラス層に目的物を分配させることができるかという点に尽きる。 初年度はこのOne-Potフルオラス合成法を構築するための分配系を確立するためのフルオラスタグの大きさについての検討を行った。種々検討した結果、ペルフルオロオクチル基を2本有するフルオラスタグを糖1残基につき1つ導入することで二糖と三糖を分離させることが可能な系を見出すことができた。 そこで最終年度はこの条件を踏まえて実際にOne-Potフルオラス合成法を用いた三糖合成についての検討を行った。すなわち、糖残基1つに対してペルフルオロアルキル鎖を2本有する3種類の単糖ユニットをそれぞれ合成したのち、実際にOne-Pot合成を試みた。反応終了後得られた反応混合物を初年度に見出した条件を用いてフルオラス溶媒と有機溶媒を用いた分配操作を用いた分離を試みた。その結果期待したように有機層に不純物の多くを分配、除去することができた。 これらの結果より、One-Potフルオラス合成法を用いることで、フルオラス合成法においてこれまで困難であったフルオラス性の副生成物を分配操作を用いて、除去することが可能であることを見出すことができた。
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