2013 Fiscal Year Research-status Report
生体内血管新生イメージングを基盤とした革新的新生血管誘導療法の開発
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24790038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱田 庸 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20611958)
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Keywords | 血管新生 / 末梢動脈疾患 / 生体内イメージング |
Research Abstract |
平成25年度は前年度に引き続き、遺伝子工学的手法を用いたPDGF-高輝度蛍光粒子複合体の作成を行い、更に同様の手法を用いたVEGF-高輝度蛍光粒子の作成を目指していた。タンパク質発現には大腸菌の系を利用していたが、タンパク質を誘導発現させるための遺伝子コンストラクトの作成に思いのほか労力を費やした。努力の末、目的の血管新生因子を安定的に発現する大腸菌株を樹立する事に成功した。しかし、発現した血管新生因子は封入体にトラップされており、不溶化分画として発現した。そこから封入体タンパク質を可溶化し、二量体化・refoldingを行う条件を検討し、さらにリコンビナントタンパク質の精製法検討に多くの時間を費やした。最終的に、生理活性を保ち、且つ蛍光粒子に結合可能な血管新生因子を作成する事に成功した。現在、各血管新生因子受容体の無発現、低発現、高発現細胞を用いたin vitro imagingに着手し始めたところである。 また、本年度は、昨年同様に下肢虚血モデルを作成し、血管新生による血流回復過程をさらに詳細に、継時的に可視化する為、PEG化した金粒子を用いたマイクロX線CT撮影を行った。その結果、虚血誘導後の血流回復過程において、angiogenesisとarteriogenesisが経時的に高度に統制され、相乗的に作用していることが明らかになりつつある。結果については、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝子コンストラクトの作成と、大腸菌を利用して血管新生因子を発現させ、かつ活性を保つ手法の確立に思いのほか難渋したために、当初の計画より大分遅れが生じた。現在、ようやく血管新生因子-高輝度蛍光粒子が作製できたところである。現在は、PDGF無発現、低発現、高発現細胞を用いたin vitro imagingを開始している。 従って、当初より研究計画は遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
生細胞を用いた検討をようやく始めたところであり、当初の目標である新規治療法の開発に至るのは難しいと判断される。しかし、当初の次年度目標であった下肢虚血、心筋梗塞、脳梗塞モデルマウスの樹立を急ぎ、各種モデルマウスにおける血管新生の場において、生体内イメージングを行い、血管新生因子受容体の分布局在を高精度にイメージングし、以降の治療法開発につなげるべく努力する。
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Research Products
(2 results)