2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790048
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
關谷 瑞樹 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (70509033)
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Keywords | ATP 合成酵素 / ポリフェノール / F-ATPase |
Research Abstract |
ATP 合成酵素 (FoF1) はサブユニットの回転を介してプロトン輸送とATPの合成あるいは加水分解を可逆的に共役している。F1 部分の γ サブユニットでは、ATP の加水分解に伴い、触媒活性を持つ β サブユニットと相互作用し、α3β3 に対して相対的に回転する。 クルクミンはポリフェノールの一種であり、抗菌活性や抗ガン活性等多様な生物活性を有する。本年度はクルクミン及び類縁体の ATP 合成酵素に対する作用とその阻害機構を検討した。 クルクミンは大腸菌 F1 ATPase 活性を阻害し、阻害活性にはクルクミンの 4’ 位の水酸基と 1,3-ジケトン構造が重要であることが明らかとなった。また、脱メトキシ化した類縁体である DMC にクルクミンより強い阻害作用を見出した。さらにクルクミン及び DMC は酸化的リン酸化に依存した大腸菌の増殖を抑制することを示した。研究成果は International Journal of Biological Macromolecules に投稿中である。 続いて、クルクミンによる F1 ATPase 阻害メカニズムを一分子観察により解析した。その結果、クルクミンは 120° 回転には影響を与えず catalytic dwell を延長させることが明らかとなった。さらにクルクミンはピセタノールなど他のポリフェノールとは異なる部位で F1 を阻害することが示唆された。研究成果は第 86 回日本生化学会大会で発表した。
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Research Products
(3 results)