2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790056
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田中 将史 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40411904)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 脂質ナノディスク / アポリポタンパク質 / 生体イメージング / 機能性リン脂質 / フラグメントペプチド |
Research Abstract |
機能性を有するリン脂質誘導体やアポリポタンパク質類似ペプチドを用いた生体イメージングのための脂質ナノディスクの設計に基づき、初年度においてペプチド合成とディスク粒子形成能評価、粒子調製条件の検討と粒子物性の評価を計画した。続いて次年度において、生体適合性および機能性評価、ラット生体内分布の評価、腫瘍を標的とする放射性標識脂質ナノディスクのイメージングツールとしての有用性の検討までを系統的に行うことを計画した。 ・機能性リン脂質誘導体およびアポリポタンパク質類似ペプチドの調製 リン脂質への機能性付与を目的として、PEG化DSPEに葉酸修飾を行った。葉酸の吸光度測定およびNMR測定より、高収率かつ高純度に葉酸修飾PEG化DSPEを得た。また、アポE分子のLDLレセプター結合領域からなるペプチド(LDLR-BRペプチド:20残基)を作製した。さらに、粒子の安定性向上を目的として連結型LDLR-BRペプチドの作製を試みた。しかしながら、連結型ペプチドに関しては合成効率が極めて悪く、粒子を複数回にわたって作製するために十分な量を得ることはできなかった。 ・粒子調製条件の検討と粒子物性の評価 リン脂質に各ペプチドおよび界面活性剤を混合してミセルを形成し、透析により界面活性剤を除去後、ゲル濾過クロマトグラフィーにより分画することで脂質ナノディスクを調製した。この際、リン脂質とペプチドとの混合比率を変化することによる影響についても調査した。調製した脂質ナノディスクの組成分析(リン脂質およびペプチドの定量)、粒子サイズ測定(動的光散乱法)、表面物性評価(ゼータ電位)を行った。しかし、蛍光プローブやNMRを用いた分子パッキングなどの表面物性評価や熱・凍結乾燥・タンパク質変性剤などによる粒子の物理化学的安定性評価に関してはまだ行えておらず今後の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度において、生体適合性および機能性評価等を計画しているが、当研究室においてそれらの評価系が確立しているわけではない。それゆえ、初年度においても生体適合性および機能性評価のための準備を並行して行ったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続いて、機能性リン脂質誘導体およびアポリポタンパク質類似ペプチドの調製や粒子調製条件の検討と粒子物性の評価といった基礎的知見を蓄積するとともに、それらを応用していくための生体適合性および機能性評価、ラット生体内分布の評価を推進していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在のところ、機器の購入計画は特になく、学会参加等のための旅費20万円以外は試薬や消耗品の購入に充てる。
|