2013 Fiscal Year Annual Research Report
セラミドキナーゼによるコレステロールの細胞内輸送制御機構の解明
Project/Area Number |
24790066
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 浩之 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20447311)
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Keywords | セラミドキナーゼ / セラミド-1-リン酸 / 細胞内コレステロール輸送 |
Research Abstract |
今年度は前年度の結果をふまえ、セラミドキナーゼが細胞内遊離コレステロールの後期エンドソームから小胞体への輸送に与える影響について解析した。後期エンドソームの遊離コレステロールは小胞体へ輸送され、再エステル化される。そこで、放射標識されたオレイン酸で細胞をラベルし、脂質抽出を行った後、薄層クロマトグラフィーで分離したコレステロールエステルの放射活性を測定した。その結果、セラミドキナーゼの過剰発現により、放射標識されたコレステロールエステルの量が減少した。次に、脂質合成転写因子であるSREBP1に着目して解析を行った。SREBP1は定常状態では小胞体に局在するが、小胞体の遊離コレステロールが減少すると核内へと移行する。そこで、SREBP1の細胞内局在を免疫染色法にて観察した。その結果、セラミドキナーゼが過剰発現している細胞ではSREBP1が核内へ移行していた。これらの結果から、セラミドキナーゼは後期エンドソームから小胞体へのコレステロールの輸送を負に制御している可能性が示唆された。また、セラミドキナーゼ発現細胞にセラミドキナーゼ阻害剤を処理すると、コレステロールの輸送が正常に戻った。さらに、外因的にセラミド-1-リン酸を細胞に添加すると、後期エンドソームから小胞体へのコレステロールの輸送が抑制された。これらの結果から、セラミド-1-リン酸が後期エンドソームから小胞体へのコレステロールの輸送を負に制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)