2014 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ古典的活性化のキーとなる小胞体アミノペプチダーゼの分泌とその制御
Project/Area Number |
24790083
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
後藤 芳邦 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (90455345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アミノペプチダーゼ / マクロファージ / 貪食 / LPS / トール様受容体 / エキソソーム / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ERAP1エキソソーム形成機構の解析-免疫組織化学的実験により、ERAP1が細胞内で多胞体を構成する分子とは共局在しないことが明らかになった。前年度の結果、すなわち、試験管内でERAP1がエキソソームを混合するだけで両者が結合することから、ERAP1はいったん細胞外へと分泌されたのち、エキソソームと結合することが示唆された。 2.ERAP1エキソソームによるマクロファージ活性化機構-ショットガンプロテオミクス解析の結果、ERAP1エキソソームには少なくとも2種のサイトカインが相互作用していることを明らかにした。アミノペプチダーゼおよび各サイトカインの阻害剤を用いてエキソソーム依存性マクロファージ活性化について検討したところ、いずれの阻害剤もマクロファージの活性化を抑制した。以上より、ERAP1エキソソームはERAP1とサイトカインの協調的な作用によりマクロファージを活性化することが示唆された。 3.in vivoレベルにおけるERAP1分泌の解析-ERAP1ノックアウトマウスの腹腔内にLPSを投与後、血中のERAP1量を解析したところ、in vitroの結果と同様に、LPS依存的なERAP1の分泌が認められた。また、血中ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)活性もERAP1の分泌と相関性を示した。さらに、血中のアミノ酸レベルはLPS投与前では野生型およびノックアウトマウスにほとんど差は認められなかったが、LPS投与後(ERAP1の分泌が認めれられた後)では、ERAP1遺伝子欠損に伴い10%程度ロイシンやアルギニンの減少が認められた。すなわち、ERAP1のアミノペプチダーゼ活性は血中においてアミノ酸酸性やペプチド分解に寄与していることが明らかになた。以上の結果は、ERAP1は個体レベルにおいてアルギニンの産生や免疫の活性化を調節するペプチドの代謝に寄与している可能性を示している。
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