2013 Fiscal Year Annual Research Report
血球分化を制御するクロマチン構造調節転写複合体の同定とその機能解析
Project/Area Number |
24790090
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
村田 拓哉 帝京大学, 薬学部, 助教 (00610106)
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Keywords | 血球分化 / 転写制御 / 転写共役因子 |
Research Abstract |
本研究ではC/EBPaの未知転写共役因子を同定を試み、C/EBPaと相互作用するタンパク質の探索の結果、Poly-(ADP ribose) polymerase-1(PARP-1)がC/EBPaと相互作用することを見い出した。PARP-1はポリADPリボシル化修飾酵素で転写の促進、抑制やDNAの修復など様々な細胞内機能に対して作用しているタンパク質で分化や細胞分裂に重要な因子であることが知られている。 このPARP-1のC/EBPa転写活性への影響の有無を検討するため、HEK293細胞におけるルシフェラーゼアッセイや、PARP-1阻害剤PJ34添加時の単球系骨髄系細胞U937細胞や前骨髄球性細胞HL-60細胞におけるC/EBPa標的遺伝子の発現量を解析した。その結果、PARP-1によりC/EBPaの転写活性が抑制されることが示唆された。 また、C/EBPa標的遺伝子MPO、GCSFRのプロモーターにおけるC/EBPa応答配列上にPARP-1も局在することがChIPアッセイにより明らかとなった。さらに、阻害剤PJ34によりPARP-1のDNA結合を抑制した際に、C/EBPaの標的遺伝子プロモーターへの結合が促進されたことを見い出した。この結果より、PARP-1はC/EBPaの標的遺伝子へのリクルートを阻害することで、C/EBPaの転写活性を抑制している可能性が示唆された。 本研究の成果により、C/EBPaの新規転写共役因子としてPARP-1を同定し、PARP-1がC/EBPaの標的遺伝子へのリクルートを抑制することで、C/EBPaの転写活性を抑制することが示唆された。今後、PARP-1の顆粒球分化への作用を解析することで、急性骨髄性白血病治療の新たな標的となりうる可能性が期待される。
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